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スマホ料金はなぜ高いのか

山田明/著

792円(税込)

発売日:2020/07/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

寡占、利権、癒着……「4割値下げ」を阻む、通信業界の不都合な真実。

菅官房長官が「スマホ料金4割値下げ」をぶちあげてから早や2年。5G対応や急増するテレワークなど通信インフラ大変革の時にあって、日本の通信料金は高止まりしたままだ。背景には、NTTドコモをはじめ大手3社による寡占市場、歪んだ料金体系と収益構造、官民の馴れ合い体質がある。誰が悪いのか。何が改革を邪魔しているのか。通信業界に長年身を置いた著者が全てを明かす。

目次
拝啓 菅義偉官房長官――序に代えて
第一章 日本の携帯料金はこれだけ高い
「4割下げ発言」への周到な準備
見破られた総務省調査のカラクリ
ユーザ不在の端末割引のカラクリ
寡占市場に公取が発した警告
新ルール導入でも料金は下がらず
第二章 携帯料金を下げる二つの方法
格安スマホ(MVNO)への乗りかえ
新規参入事業者(MNO)登場への期待
MNO楽天の特徴と戦略
帯域による電波の基本的特性
経営を左右する電波の割り当て
第三章 ソフトバンクが打破した官製業界
NTT民営化とアンバンドル規制
NTTの救世主・初代ドコモ社長
総務省との闘争と「ガソリン発言」
プラチナバンド獲得後の“変心”
第四章 組織理念なきNTT分割・再編成
NTT分割をめぐる10年闘争
持株会社解禁で守られたグループ経営
相次ぐ海外投資で大失敗
巨額損失計上でも叙勲とは……
第五章 経営分析から見えるNTTのドコモ依存
セグメント情報で見る売上構成
利益の8割は寡占・独占事業から
低迷するNTTコムの競争事業
不思議と高い東西会社の利益率
第六章 天下りとグループ第一主義
日本特有の「サラリーマン共同体経営」
高度成長期と低成長期の経営者像
社外役員が経験する奇妙な取締役会
「武士道精神」と「茶坊主精神」
向上しないNTTの生産性
市場よりも社内のライバルに先んじる
私利私欲を露呈したリクルート事件
隠れグループ企業という秘密主義
権力におもねる大量の天下り
戦略ビジョンよりグループ秩序
第七章 戦略不在で5G時代に乗り遅れ
4G時代とは様相が一変
AIプラス5Gが名医の手術を代行
人口減少社会の自動運転バス
ローカル5Gで広がる企業の裾野
先行する海外の取り組み
イノベーションなきNTTへの処方箋
NTT法改正か、M&Aか
5G時代の通信規制のありかた
第八章 旧態依然の電波行政
バラマキ同然の比較審査方式
持ちつ持たれつの行政と事業者
新聞やテレビが報道しないわけ
変革が求められる電波行政
固定・無線の区分は今や無意味
浪費されるプラチナバンドの開放を
第九章 通信業界躍進へのラストチャンス
官僚は変われるか
政治家は電波を開放できるか
サムライ経営者は生まれるか
終わりに

書誌情報

読み仮名 スマホリョウキンハナゼタカイノカ
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 192ページ
ISBN 978-4-10-610868-6
C-CODE 0265
整理番号 868
ジャンル 産業研究、IT、モバイル・タブレット
定価 792円
電子書籍 価格 792円
電子書籍 配信開始日 2020/07/17

著者プロフィール

山田明

ヤマダ・アキラ

1950(昭和25)年愛知県生まれ。経営評論家。東京大学法学部卒、米コーネル大学経営大学院MBA取得。NTT(当時は日本電信電話公社)を経て、複数のグループ会社役員の他、国際通信経済研究所常務理事を務めた。2016年に退任。著書に『日本の大企業丸洗い』。

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