トヨタに学ぶ カイゼンのヒント71
792円(税込)
発売日:2020/07/17
- 新書
- 電子書籍あり
「会議はこれからリモートで?」「いや、そもそも、なくていいんじゃない?」今こそあなたの職場を変革するための71の視点。
どんな職場にもムダがある。だから改善できる――世界のトヨタ、その強さの秘密は、徹底的にムダをなくす「カイゼン」(改善)の積み重ねにある。「ベストを追求するな」「行動しながら考えろ」「精神論はいらない」「必要な会議はそれほど多くはない」「残業を疑え」「トリセツよりも口伝え」「わざと失敗させる」等々、現場で考えることから生まれた、あらゆる職場、学校、家庭で実践可能なカイゼン方法を示す。
2 売れ残りや余分な在庫のない注文生産
3 労働強化、人員削減のためのシステムではない
4 フレッシュな車は客にとってもお得
5 一日に10回、手を洗え
6 カイゼンとはアップデートのこと
7 アップデートなしでは生き残れない
8 考える時はふとんから出ろ
9 「ジャスト・イン・タイム」と「自働化」という二本柱
11 残業しないために始まった
12 面倒くさいことを簡単にする方法
14 売れ残りを売り切る方法
15 「天ぷら半分」は、なぜカイゼンになったのか
16 行動しながら考えろ
18 コンマ1秒を削る
19 ファストファッションの売り切りじまいもトヨタ生産方式から
20 ジェフ・ベゾスの座右の銘「Kaizen」
21 おばあちゃんの七面鳥
22 4Sしながらムダを探せ
23 ゴミから考える
24 6割できそうならやる
25 ムダとは何か
26 精神論はいらない
28 図式化する
29 カイゼンの前と後は何が違うのか
30 機械をカイゼンする
31 ほんの少しでも変えてみる
33 現場へ行く
34 効率よく集めて運ぶ
35 トヨタの社員食堂のカイゼン
36 走ってまでやる作業はない
37 BMWの逆転の発想
38 最大のカイゼン=新しいもの
40 セールスでは「この人嫌だな」と思わない
41 自分を甘やかさない
42 従業員は並んで立たない
43 商品やサービスのカイゼンは客の都合を考える
44 ぎょうざの満洲はなぜ小ぶりの中華鍋を使うのか
45 12年間毎日、売れなかった品物を記録につける
46 保育園もカイゼンできる
48 何分でやるか、何日でやるかは申告させる
49 やらなくていいカイゼン
50 会議のカイゼンはこうやる
51 本当に必要な会議はそれほど多くはない
52 出張の荷物はバッグ一個だけ
53 大切なことはできるだけ暗記する
54 慣習、ムダ、滞留をなくして、くふうする
55 正常と異常の区別をつける
57 人は尊敬している人の言うことしか聞かない
58 カイゼンのツールもカイゼンする
59 機械は不器用だと思え
60 トリセツよりも口伝え
61 覚えさせるにはわざと失敗させる
63 忘れ物をしないための技
64 カイゼンはほんの少しだけ前へ進むこと
65 完璧な準備をして仕事に取り掛かる人はいない
66 事業に失敗するコツ
69 企業理念は従業員が考える
70 勝利の女神の背中を見る
書誌情報
読み仮名 | トヨタニマナブカイゼンノヒントナナジュウイチ |
---|---|
シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 192ページ |
ISBN | 978-4-10-610869-3 |
C-CODE | 0234 |
整理番号 | 869 |
ジャンル | 経営学・キャリア・MBA、実践経営・リーダーシップ |
定価 | 792円 |
電子書籍 価格 | 792円 |
電子書籍 配信開始日 | 2020/07/17 |
薀蓄倉庫
AmazonもZARAも、トヨタから学んだ
「在庫をゼロにしたらどうか」ファストファッションのZARA創業者はそう考えた時、トヨタ出身の技術者を入社させました。在庫を必要最小限持つというトヨタ生産方式を取り入れた上で、在庫を持つこと自体をやめたのです。同社を持つインディテックスは世界首位の売り上げとなりました。
また、Amazonの創業者、ジェフ・べゾスの座右の銘は「Kaizen」です。グロバール企業にはあまねく知られる「カイゼン」と「トヨタ生産方式」。その第一歩は「工場に落ちている、ねじ一本を拾うことも立派なカイゼン」なのだと河合満・トヨタ自動車副社長は仰います。中卒、現場たたき上げとして知られる河合氏の言葉の重みが、ねじ一本にも感じられます。
掲載:2020年7月22日
担当編集者のひとこと
うちの会社も、カイゼンしたい……。
タイトルは、没になった帯のコピーです(笑)。
会社もさることながら、自動車を持っていない共働き世帯のわが家にこそ、この「カイゼン」導入したい! と心から思いました。それはカイゼン=改善が「すべての人が楽になる」ことを目指しているからです。「横着なやつほど、カイゼンがうまい」と、本文中で河合満・トヨタ自動車副社長は仰っていますが、それは働く母親を苦しめる「母親たるもの、楽してはならない」「子育ても家事も仕事も、横着してはいけない」という無言の圧力に対する明快なアンチテーゼでした。「ベストを追求するな」「精神論はいらない」「必要な会議はそれほど多くはない」「わざと失敗させる」等々、これって家事・育児にも応用できることばっかりではないですか!
そして、トヨタの「カイゼン」を指導する担当者の一言「人は尊敬している人の言う事しか聞かない」も金言でした。まずは日々、精進しようと心から思える一冊です。
2020/07/22
著者プロフィール
野地秩嘉
ノジ・ツネヨシ
1957(昭和32)年、東京生れ。早稲田大学商学部卒。美術展のプロデューサーなどを経て、ノンフィクション作家に。著書に『サービスの達人たち』『サービスの天才たち』『トヨタ物語』『キャンティ物語』『ビートルズを呼んだ男』『芸能ビジネスを創った男』『TOKYOオリンピック物語』『京味物語』などがある。