
ブラック霞が関
902円(税込)
発売日:2020/11/18
- 新書
- 電子書籍あり
[07:00 仕事開始][27:20 退庁]「このままでは国民のために働けない」――元厚労省キャリア、渾身の提言。
朝七時、仕事開始。二七時二〇分、退庁。ブラック労働は今や霞が関の標準だ。相次ぐ休職や退職、採用難が官僚たちをさらに追いつめる。国会対応のための不毛な残業、乱立する会議、煩雑な手続き、旧態依然の「紙文化」……この負のスパイラルを止めなければ、最終的に被害を受けるのは国家、国民だ。官僚が本当に能力を発揮できるようにするにはどうすればいいのか。元厚生労働省キャリアが具体策を提言する。
〜政策の現場で何が起こっているのか〜
〜壊れていく官僚たちと離職の背景〜
〜民間と大きく違う公務の本質〜
〜政策と人の生活の間〜
〜霞が関の働き方改革の壁〜
〜霞が関への10の提言〜
〜永田町への10の提言〜
書誌情報
読み仮名 | ブラックカスミガセキ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 240ページ |
ISBN | 978-4-10-610885-3 |
C-CODE | 0231 |
整理番号 | 885 |
ジャンル | 政治 |
定価 | 902円 |
電子書籍 価格 | 858円 |
電子書籍 配信開始日 | 2020/11/18 |
薀蓄倉庫
10人に4人が過労死ライン
「ブラック企業」が流行語大賞で取り上げられたのは2013年のこと。その後、政府の指導や企業の努力によって、民間企業のブラックな状況は好転してきたように見えます。しかし民間企業を指導してきたはずの霞が関では、逆にブラック労働が深刻化していました。「官僚の働き方改革を求める国民の会」が2019年に現役官僚と退官者1000人を対象に取ったアンケートによると、労働基準法の年間超過勤務上限である760時間を超える人が65.5%、過労死ライン(960時間)を上回る1000時間超えが42.3%、さらに1500時間を超える人も14.8%いたと言います。どうしてこんな状況になってしまったのでしょうか。本書では、背景にある政治状況の変化や公務員特有の原因などについて読み解き、その解決策を探ります。
掲載:2020年11月25日
著者プロフィール
千正康裕
センショウ・ヤスヒロ
1975(昭和50)年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。2001年厚生労働省入省。社会保障・労働分野で八本の法律改正に携わる。2019年9月に退官。コンサルティング会社(株)千正組を設立。内閣府、環境省の有識者会議委員も務める。著書に『ブラック霞が関』。