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ビジネス戦略から読む美術史

西岡文彦/著

836円(税込)

発売日:2021/06/17

書誌情報

読み仮名 ビジネスセンリャクカラヨムビジュツシ
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 222ページ
ISBN 978-4-10-610912-6
C-CODE 0222
整理番号 912
ジャンル アート・建築・デザイン
定価 836円
電子書籍 価格 836円
電子書籍 配信開始日 2021/06/17

フェルメールの「牛乳を注ぐ女」は、「パン屋の看板」だった!? イノベーションは美術史から学べ!

フェルメールの名画は「パン屋の看板」として描かれた!? ガラクタ扱いされていた印象派の価値を「爆上げ」したマーケティング手法とは? 美術の歴史はイノベーションの宝庫である。名画・名作が今日そう評されるのは、作品を売りたい画家や画商、そして芸術を利用しようとした政治家や商人たちの「作為」の結果なのだ。ビジネス戦略と美術の密接な関係に光を当てた「目からウロコ」の考察。

目次
はじめに 美術品を売れれば、売れない商品はない!?
第一章 パン屋の広告だった!?フェルメール
美術の一大ピンチ宗教改革/プロテスタントが美術を破壊した理由/ピンチで生まれた新市場と新商品/権力のプレゼンテーションとしての美術/変化したビジネス・モデル/西洋の風景画に風車が多い理由/家政婦が絵画の主人公になった理由/三年分のパン代だった『牛乳を注ぐ女』/真珠の耳飾りの少女の正体/展示販売によって求められた「個性」/画家が目立ちたがる理由
第二章 ルネサンスを生んだメディチの闇金融
呪われた業種としての金融業/キリスト教が利息を禁止した理由/メディチ家によるフィレンツェ金権政治/バンク(銀行)の語源はイタリア語のバンコ(机)/複式簿記が苦手だったメディチの豪華王/闇金融の隠れ蓑となった為替のトリック/すべては闇金融のために/法王庁の金庫番になった「神からの借財人」/マキャヴェリも評価した経営手腕/絵の具代より安かったボッティチェリの画料
第三章 リモートワークに乗り遅れたダ・ヴィンチ
不動産としての『最後の晩餐』、動産としての『モナ・リザ』/芸術家のパトロネージの五つのタイプ/ダ・ヴィンチが売り込みに使った自薦状/苦情を申し立てた修道院長をユダのモデルに/ミケランジェロの大作をダ・ヴィンチが描くと四千年かかる!?/ダ・ヴィンチの失敗の理由/不遇のローマ法王庁からフランス宮廷へ/美貌の弟子サライとダ・ヴィンチ遺言状の謎/巨額で売られていた『モナ・リザ』/天才が経済的に恵まれなかった理由
第四章 レンブラントの割り勘肖像画
オランダにしかない「集団肖像画」/パン屋より多かったオランダの画家/画商に投資したレンブラント/横行していたコピー商法/新妻の持参金と人脈で大成功/ドラマティックな『夜警』の演出/ゴルフ会員権より割安の割り勘料金/人徳を意味していた経済的成功/晩年の悲劇と最後の集団肖像画/レンブラントとコピー商法/十七世紀セルフィーの巨匠
第五章 「科学」を武器に職人ギルドを征した王立アカデミー
美大入試がデッサンになった理由/ローマ法王庁を超える美の総本山を/法王の失墜が生んだ王権神授説/日本の会社は幕藩制、欧米の組合はギルド的/ギルドの「脱藩」画工が直訴した王立アカデミー/貴族の官位も画家の地位もお金で買えた/神のギルドと王のアカデミーの対決/デッサンが科学と見なされた理由/親方への嫌がらせに講義を強要
第六章 「元祖インスタ映え」ナポレオンのイメージ戦略
ナチス・ドイツからホワイトハウスまで/巨大な矛盾を抱えた英雄/一億円で依頼された『ナポレオン一世の戴冠式』/画面を「盛った」アルプス越えの騎馬像/聖なる正面顔、記念の横顔、自然体の斜め顔/ペスト患者を見舞う不死の英雄/軍費を浮かす徴兵制と美術の関係/ルーヴルの前身ナポレオン美術館/流刑後に税制の失策を悔いたナポレオン
第七章 「ガラクタ」印象派の価値を爆上げした金ピカ額縁と猫足家具
前衛芸術はクラシックに売れ/ベルばら時代の最後の輝き/画商が自邸を悪趣味にコーディネートした理由/金ピカはフランス王室御用達の美学/顧客の不安を払拭する王朝様式/「貴族趣味なき貴族気分」の魔術的な販促効果/貴族のいない新興国家アメリカの空虚感/なぜパリのアメリカ人は爆買いするのか/印象派バブルを開幕させた「アメリカ値段」
第八章 美術批評のインフルエンサー・マーケティング
「名の製造装置」としてのジャーナリズム/インフルエンサーの正体/画商、自ら雑誌を発刊す/批評家を食べさせるためだけの批評/文豪ゾラが描いた批評家の姑息な処世術/不倫小説のベストセラー作家と御用文化人が勢揃い/商品知識の不足が批評の需要を支えた/既製品販売には批評によるブランド化が必須/画商をテーマにした展覧会
おわりに
参考文献

著者プロフィール

西岡文彦

ニシオカ・フミヒコ

1952年生まれ。多摩美術大学教授。著書『絵画の読み方』で「名画の謎解き」ブームを起こす。美術出版、美術番組の制作・企画多数。国連地球サミットや愛知万博の企画にも参加。著書に『ピカソは本当に偉いのか?』『絶頂美術館』『名画の暗号』などがある。

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