世界の知性が語る「特別な日本」
792円(税込)
発売日:2021/09/17
- 新書
- 電子書籍あり
「日本は白人の優位性を吹き飛ばした」――リー・クアンユー。「私が範としたのはドストエフスキーと谷崎だ」――オルハン・パムク。近現代日本の栄光と挫折、そして達成。
近代日本は世界にとって如何なる存在だったのか。欧米列強を打ち負かした国であり、アジアを侵略した国であり、敗戦後に驚異的な復興を遂げた国。日本が歩んだ曲折の道のりは、他国の人々の精神にも大きな影響を与えてきた。リー・クアンユー、李登輝、ブトロス・ガリ、アンジェイ・ワイダ、オルハン・パムクら世界の政治家や知識人にインタビューし、それぞれの国が抱えた近代の葛藤と日本への特別な思いに迫る。
書誌情報
読み仮名 | セカイノチセイガカタルトクベツナニッポン |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
雑誌から生まれた本 | 波から生まれた本 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 192ページ |
ISBN | 978-4-10-610924-9 |
C-CODE | 0220 |
整理番号 | 924 |
ジャンル | ノンフィクション |
定価 | 792円 |
電子書籍 価格 | 792円 |
電子書籍 配信開始日 | 2021/09/17 |
薀蓄倉庫
東郷神社を参拝した国連事務総長
第6代国連事務総長を務めたエジプトのブトロス・ガリは、日本を訪れるたびに東郷神社を参拝したそうです。平和のための世界組織である国連の事務方トップが、なぜ日本の「軍神」を? じつは長年イギリス統治下にあったエジプトにおいて、日露戦争でロシアに勝利した東郷平八郎提督は英雄でした。反英闘争・独立運動の士で、後に外務大臣となるガリの叔父も「いつかはエジプトだってニッポンみたいになる。東郷が現れるんだ」と心の支えにしていたそうです。そうした記憶はガリにも引き継がれました。「日本を国連安保理常任理事国に」というガリの過剰ともいえる期待には、こうした背景があったのです。
掲載:2021年9月24日
著者プロフィール
会田弘継
アイダ・ヒロツグ
1951年生まれ。東京外国語大学卒。共同通信社でジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを歴任し、2023年3月現在は関西大学客員教授。アメリカ保守思想を研究。著書に『追跡・アメリカの思想家たち〈増補改訂版〉』(中公文庫)、『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『世界の知性が語る「特別な日本」』(新潮新書)などがあるほか、訳書にフランシス・フクヤマ『政治の起源(上・下)』『政治の衰退(上・下)』(ともに講談社)、ラッセル・カーク『保守主義の精神(上・下)』(中公選書)などがある。