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職務質問

古野まほろ/著

924円(税込)

発売日:2021/10/18

  • 新書
  • 電子書籍あり

疑われる人とは? 徹底拒否は可能? 正しい対処法は? 〈名人〉の眼力とは? 元警察官の作家が解き明かす「謎多き職質ワールド」!

「こんにちは、お時間いいですか!?」街頭で突然、警察官が声を掛けてくる。実際に職務質問をされた人にも、偶然そこを通り掛かった人にも、数多くの疑問が浮かぶはずだ。「どこをどう疑ったんだ」「任意なら拒否して帰れるだろ……」「持ち物検査なんて横暴だ」「何で同じ人間ばっかり!」善良な市民もそうでない人も、また現場警察官自身も必読。本邦初、元警察官の著者が赤裸々に描く〈街頭の真剣勝負〉の全貌。

目次
序章 職質をめぐる「?」
私と職務質問/職務質問をめぐる謎/本書の射程
第1章 こんにちは!! ちょっとお時間よろしいですか!?
――そもそも〈職務質問〉とは
職務質問の根拠1/条文だけでは解らない!!(法解釈・判例法の世界)/職務質問の根拠2/停止させて質問することが『できる』?/〈有形力の行使〉というキモ/〈任意〉という言葉に潜むズレ/職質の世界は『デジタル』でなく『アナログ』/停止・質問に見る〈有形力の行使〉/〈有形力の行使〉がアウトなとき/『質問』における『有形力の行使』?/所持品検査の法的根拠は?/承諾を得て行う〈所持品検査〉のセーフ/アウト/承諾なしに行う〈所持品検査〉なんて許されるのか!?/所持品検査と〈有形力の行使〉/所持品検査(まとめ)/「こんなみちばたじゃあ危ないから」(同行要求)/同行要求と任意同行/再び〈任意〉の問題/〈同行要求〉における承諾のアナログ性/〈同行要求〉における説得のアナログ性/説得時間、6時間40分!?/〈任意同行〉における有形力の行使/『荒れる職質』/そもそも法律のいう〈不審者〉とは?/『異常な挙動』『その他周囲の事情』/『合理的に判断して』(客観性の縛り)/『何らかの犯罪』/『何か』を突き詰めてゆく真剣勝負(恐怖と勇気と)/職務質問の終了/平和裡な終了と警察官の意識/職質検挙
第2章 これって任意ですよね? 任意なら絶対応じません
――職務質問対応マニュアル(市民と警察官双方のための)
職質は『誰が』行っているのか?/職質警察官の実際/『警ら』勤務の重要性/警ら勤務≒職質勤務なる『職質シフト』/地域警察官最大の武器/職質された!! 対応の最適解は……?/『停止』を拒否してみると……/所持品検査を拒否してみると……/任意同行を拒否してみると……/対応の最適解(まとめ)/『唯一の例外』(徹底拒否・徹底抗戦すべきとき)/徹底拒否・徹底抗戦のスタイル/苦情を入れたいとき/できれば避けたい行為/「任意ですか? 強制ですか?」/「警察手帳を見せてください」/「録音します」「録画します」「撮影します」/「職務質問の根拠を教えてください」/「任意なら応じません」/「弁護士を呼ぶぞ」「弁護士に電話する!!」/実務・現場における〈不審者〉の判断/様々な『判断基準』が囁かれるが……/職務質問の場所/『狩り場』はあるか?/遭遇戦・偶発戦/自動車の場合/いわゆる一斉検問における質問/自動車(運転者等)に対する職務質問
第3章 ビックリしたろうから、夜道には気を付けてね!!
――職務質問の技能と成果
職務質問技能伝承/職務質問技能指導者制度/〈名人〉〈神〉の実際/やってみせ、言って聞かせてさせてみて……/ロールプレイング/同行指導・同乗指導/警察官のお悩み解決・『実戦塾』/職質道に終わりなし/職質技能の初段(基本の心得)/カームダウン・クールダウン/潮の満ち引き/感謝の明示/言葉以外で話す/言葉以外の声を聴く/鸚鵡返し・沈黙は金/より戻し/空振り三振大いに結構/不思議の勝ちは負け/服装の乱れは技能の乱れ/全ては地続き/仏の心

書誌情報

読み仮名 ショクムシツモン
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 288ページ
ISBN 978-4-10-610928-7
C-CODE 0236
整理番号 928
ジャンル ノンフィクション
定価 924円
電子書籍 価格 924円
電子書籍 配信開始日 2021/10/18

薀蓄倉庫

職務質問の法的根拠は

 街中で不審者に声を掛ける「職務質問」。どういう法的根拠で声を掛けて、足止めをしているのか、ご存じない方も多いのではないでしょうか。明文化されている法律上の根拠は警察官職務執行法の以下の部分になります。

(質問)
第2条 警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。

 何だか小難しくて今ひとつわかりにくい、と思われるかもしれません。そういう方はぜひ『職務質問』を読んでみてください。正しい対処法から職務質問の〈名人〉〈神〉のすごい眼力まで、興味深い話が詰まっています。

掲載:2021年10月25日

著者プロフィール

古野まほろ

フルノ・マホロ

東京大学法学部卒業。リヨン第三大学法学部修士課程修了。学位授与機構より学士(文学)。警察庁I種警察官として警察署、警察本部、海外、警察庁等で勤務し、警察大学校主任教授にて退官。2007(平成19)年、『天帝のはしたなき果実』で第35回メフィスト賞を受賞し、デビュー。有栖川有栖・綾辻行人両氏に師事。他の著書に『新任巡査』『新任刑事』『新任警視』『オニキス 公爵令嬢刑事 西有栖宮綾子』『R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室』『警察手帳』『警察官白書』『職務質問』などがある。

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