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コロナ後―ハーバード知日派10人が語る未来―

佐藤智恵/編著

1,056円(税込)

発売日:2021/11/17

書誌情報

読み仮名 コロナゴハーバードチニチハジュウニンガカタルミライ
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 270ページ
ISBN 978-4-10-610931-7
C-CODE 0234
整理番号 931
ジャンル ノンフィクション
定価 1,056円
電子書籍 価格 1,056円
電子書籍 配信開始日 2021/11/17

日はまた昇るか。――ハーバードの知性に問う。2030年への展望と戦略。

日はまた沈むのか。コロナ禍からの反転攻勢は可能か。これからの戦略の要点とは何か。ハーバード大学の知日派教授10人に緊急インタビューを敢行。世界最高の知性たちから返ってきたのは、前向きで示唆に富む言葉だった。2030年の展望、新たなキーワード、日本が本来持っていた伝統と強み……彼らの知見は未曾有の危機に立ち向かう私たちに前を向く勇気を与えてくれる。激動の時代を賢く生き抜くための書。

目次
まえがき
マルコ・イアンシティ
第1章 日本企業にはAI時代を勝ち抜く独自の方法がある
モデルナはIT企業である/ワクチン開発はモデルナにとって大きな賭けだった/モデルナCEOと日本企業の経営者の類似点/なぜたった2日でワクチンの設計ができたのか/伝統的大企業ファイザーのイノベーション/大企業でも劇的に変わることができる/日本にもAI時代に成功できるチャンスがある/当たり前のように変革を続ける組織であれ/DXがデジタル格差をもたらしている/DXにはトップから一般社員まで全員で取り組む/「破壊的イノベーション」の先にある新理論を提唱/いま変革できない企業は生存できない
[2030年の展望]AIがすべてのビジネスの基盤になる/日本企業は自らの「変革の歴史」を再認識せよ
レベッカ・ヘンダーソン
第2章 今こそ公正で持続可能な社会を実現するチャンスだ
コロナ禍で問われる「利益」か「社会貢献」か/ハーバードで人気を集めるサステナビリティの授業/株主価値の最大化は「目的」ではなく「手段」である/政府は民間セクターの成長を阻害する存在なのか/企業の暴走を止められるのは政府である/経営者は創業の精神に立ち返れ/変革は従業員の行動と気づきからはじまる/トヨタはパーパス・ドリブン企業のお手本である/トヨタがアルゼンチンの工場から撤退しなかった理由/パーパスを基軸とした経営が求められる時代に/社会の「おかしさ」に人々が気づきはじめた
[2030年の展望]資本主義のリイマジンが進む
サンドラ・サッチャー
第3章 コロナ後の世界では「信頼」こそがキーワードになる
ハーバードの教員なら東京五輪問題をこう教える/リーダーに必要なのは倫理的視点/菅首相のメッセージに抱いた疑問/非人道的な決断を正当化する「脳」の働き/日本政府が信頼を取り戻すために必要なこと/リクルートに象徴される「信頼回復」の重要性/人々は企業のどこを見て信頼しているのか/ウーバーは信頼を失い失速した/まずは部下との信頼構築を/コロナ禍で部下に問うべき3つの質問/今こそ「三方よし」の価値が増す/社員の健康と安全を重視することが離職を防ぐ
[2030年の展望]公私にわたり「信頼」の重要性が高まる
ジェフリー・ジョーンズ
第4章 渋沢栄一が世界的に評価される理由
渋沢はESG投資のパイオニアだった/政府への失望感が民間への期待を高めた/渋沢ならパンデミックにどう向き合ったか/コロナ禍でハーバードの教材になった渋沢栄一/渋沢がめざしたのは「利益」と「公益」を両立する民間企業/SDGsは矛盾に満ちている/日本政府が再生可能エネルギー促進の壁になった/中国の台頭を加速させたパンデミック/アメリカの分断は解消されない
[2030年の展望]世界はリージョナリゼーションへと進む/レジリエンスが不可欠な能力となる/日本には多くの潜在能力が眠っている
リカルド・アウスマン
第5章 技術革新に成功すれば日本経済は大きく飛躍する
コロナの影響はまだ総括できない/闇雲なロックダウンには意味がない/2020年の成功は2021年に持ち越せない/「行動制限」と「ワクチン接種」の併用しかない/2024年までに先進国と発展途上国の格差は広がり続ける/日本は脱炭素時代を生き抜けるか/第4次産業革命に乗り遅れるな
[2030年の展望]脱炭素化とタスクのグローバル化が加速する/技術立国日本に必要なのは新たなイノベーション創出モデル
ウィリー・シー
第6章 21世紀のリーダーに不可欠なのは科学技術の知識だ
新型コロナワクチン開発から撤退した米製薬企業メルク/ワクチン開発は1日にしてならず/ハーバードの学生が感動するトヨタの病院改革/テキサスの大規模接種センターを危機から救ったトヨタ/危機下で真価を見せる「地域貢献」の精神
[2030年の展望]サプライチェーンの再編が進む/メーカーは価格競争からの脱却を
ラモン・カザダスス=マサネル
第7章 コロナ禍の東京ディズニーリゾートから世界が学ぶべきこと
東京ディズニーリゾートはなぜハーバードの研究対象になったのか/クオリティーの高さに感嘆/関係会社を「所有」するのは正しい戦略なのか/独自の戦略で成功する東京ディズニーリゾート/オリエンタルランドはコロナに勝てるか/3つの戦略の見直しでパンデミックを乗り切れる/従業員の雇用を守る戦略は正しい
[2030年の展望]4つの分野で変化が加速する/前例主義から脱却せよ/日本企業の事例が深い学びをもたらす
リンダ・ヒル
第8章 社内に眠る能力を結集すれば「集合天才」を生み出せる
ハーバードの教材になったANAの新事業/あなたなら新規事業に投資しますか/大企業で新規事業を創出するにはトップの支援が不可欠である/コロナ危機でも投資をやめなかったANA/イノベーションは単なる「創出」で終わってはいけない/社内に眠る能力から「集合天才」を形成する/リモートワークだけではイノベーションを創出できない
[2030年の展望]ウイルスと共存する社会が訪れる/コロナ後に向けて日本から学ぶべきこと/科学技術が勝利するために
エイミー・エドモンドソン
第9章 危機下のリーダーに求められる「謙遜の精神」
有事のリーダーに求められる透明性や謙虚さ/政治家としての利益を優先した発信は不信を買う/日本の政治家は「不都合な真実」と「希望」を同時に語るべき/VUCAの時代には「心理的安全性」が重要になる/健全な恐れと不健全な恐れを区別せよ/心理的安全性が企業の業績を左右する/トヨタの強さの背景にも心理的安全性/自社独自の学習文化を見つめ直す/心理的安全性の創出に重要な役割を果たす中間管理職/恐れに満ちた職場が悲惨な結果をもたらす/「賢く働く」ことがコロナ後のスタンダードとなる
[2030年の展望]世界の複雑性、不確実性がさらに強まる
マイケル・タッシュマン
第10章 「両利きの経営」が未来を切り拓く
日本で大反響を呼んだ『両利きの経営』/日本は「両利きの経営」の成功例の宝庫/非連続性の変化が訪れる時代に求められる自己刷新の力/「両利きの経営」実践のための3つのポイント/成功のカギを握るのは中間管理職の意識改革/新規事業をコア事業に育てるための3ステップ/自らのアイデンティティーを定義せよ
[2030年の展望]非連続性の変化が次々に訪れる
あとがき

主要参考文献

薀蓄倉庫

日本(企業)は捨てたもんじゃない

「失われた〇年」といった表現に代表されるように、日本の経済については悲観的な見方が国内では主流です。ところが、アメリカ、ハーバード大学の経営大学院ではコロナ禍の中でも、日本に関わる新たな教材が次々出版されていたそうです。「悪いお手本」ではなくて「良い見本」としてです。トヨタ自動車、ANA、東京オリエンタルランド、さらに渋沢栄一……。『コロナ後―ハーバード大学知日派10人が語る未来―』は、同大学の「知日派」とされる教授たちが、これから先の展望、戦略を考える上で必要な視点をわかりやすく語ってくれています。日本企業や日本人へのポジティヴな評価の数々には当の日本人が驚かされるかもしれません。

掲載:2021年11月25日

担当編集者のひとこと

視界がクリアーになる1冊

 国も企業も個人も、もともと先のことなんかわからないのは当たり前ですが、新型コロナによってそういう気持ちが強くなった方は多いことでしょう。インバウンドが景気の起爆剤になる、といった話が語られていたのはほんの数年前でした。まさかそれがいきなりゼロになってしまうなどとは誰も思っていなかったはず。
 しかし、わからないわからないと言い続けたところで、事態が良くなるはずもありません。わからないのは大前提にしても、自分たちがどうするか、その方針、スタンスは定めておきたいところでしょう。
 本書『コロナ後―ハーバード知日派10人が語る未来―』は、タイトル通り、これから先を考える上で格好のテキストと言えます。日本や日本企業についてよく知るハーバード大学の教授たちは、現状を分析しながら2030年までの展望を編著者のインタビューに答え、私たち日本人にわかりやすく語りかけます。「両利きの経営」「心理的安全性」「集合天才」等々、近年ビジネスの世界で注目されるキーワードをまじえながら、これからの世界、日本についての見通しを解説してくれています。
 何となく不透明に感じていた未来が、かなりクリアーになり、自らが取るべき戦略も見えてきます。結果として、読後、かなり前向きになれるのではないかと思います。少なくとも私はそうでした。

2021/11/25

著者プロフィール

佐藤智恵

サトウ・チエ

1970(昭和45)年兵庫県生まれ。東京大学教養学部卒業後、NHK入局。2001年コロンビア大学経営大学院修了(MBA)。ボストンコンサルティンググループなどを経て作家・コンサルタントとして独立。『ハーバードでいちばん人気の国・日本』など著書多数。

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