イクメンの罠
858円(税込)
発売日:2022/01/15
- 新書
- 電子書籍あり
「自立できない子」はなぜ生まれるか? 「子どもが3歳になったら、“イクメン”を卒業して“父親”になりなさい。」教育心理学者が教える8つのヒント!
鈍感、不真面目、頼りない――。ここ数十年、子ども達の父親に対するイメージは悪化し続けている。「父親は厳しかった」と答える割合は低下し、「よくほめられた」と答える子どもが増えているにもかかわらず、この結果。上辺だけを真似た欧米流子育ての導入は、日本の家族をどう変えたのか。イクメンブームが加速する中、教育心理学者である著者が、父性機能の低下と自立できない子どもの増加に警鐘を鳴らす!
書誌情報
読み仮名 | イクメンノワナ |
---|---|
シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 208ページ |
ISBN | 978-4-10-610936-2 |
C-CODE | 0236 |
整理番号 | 936 |
ジャンル | ノンフィクション |
定価 | 858円 |
電子書籍 価格 | 858円 |
電子書籍 配信開始日 | 2022/01/15 |
薀蓄倉庫
「ものわかりのよい親」が危ない
『イクメンの罠』では、近年のイクメンブームの影響もあり子どもに対して優しく接するばかりで、父親ならではの役割を忘れてしまった親が増加していることに警鐘を鳴らしています。
「子どもの意思を尊重する親」と言うと聞こえはよいですが、悪いことをしても厳しく叱られずに育てられた子どもは、社会性や自己コントロール能力が身についていません。すると彼らが大人になった時に、厳しさへの耐性が低く、社会に出て苦労することが多くなってしまうのです。
では、「自立できない子ども」にしないために、父親ができることとは? 本書では、理論と経験の両方から迫ります。
掲載:2022年1月25日
担当編集者のひとこと
子育ての正解とは
昨年末、ユーキャンの流行語年間大賞に輝いたのは「リアル二刀流/ショータイム」でした。アメリカの球団ロサンゼルス・エンゼルスに所属し、今を時めく大谷翔平選手の活躍を表す言葉です。大谷選手は1994年生まれの27歳なのですが、実は「94年」生まれの同級生には、フィギュアスケートの羽生結弦選手や、競泳の瀬戸大也選手、バドミントンの桃田賢斗選手など、才能ある選手が多くテレビでは「黄金世代」と紹介されることもあります。
ここで考えてみてほしいのですが、確かに親としては自分の子どもがこのような人物に育ったら嬉しいと思います。しかし、子どもが有名になって社会で活躍しなくとも、他人に迷惑をかけず、きちんと「自立した大人」に成長さえすれば、育児としては大成功だと思う方が多いのではないでしょうか。
もちろん子育ての正解・不正解はありませんし、失敗・成功も人の価値観によってそれぞれです。しかし、近年「社会に出るのが怖い」という若者が増加している中で、自分の子を「物事を判断することが出来ず、少し叱られるとバイトも辞めてしまう」ような子にする子育ては考え直す必要があります。本書では、教育心理学者で二児の子を育てた元祖イクメンでもある榎本さんが、子どもが3歳になったら親がするべき子育てのヒントを教えます。
2022/01/25
著者プロフィール
榎本博明
エノモト・ヒロアキ
1955(昭和30)年東京生まれ。心理学博士。東京大学教育心理学科卒業。東芝勤務後、東京都立大学大学院へ。大阪大学大学院助教授等を経てMP人間科学研究所代表。『ほめると子どもはダメになる』『伸びる子どもは○○がすごい』『自己肯定感という呪縛』など著書多数。