親鸞と道元
880円(税込)
発売日:2022/02/17
- 新書
- 電子書籍あり
悟りか、救いか。日本仏教を変革した両者の思想は、なぜかくも大きく違うのか――。
今なお計三万七千の寺院数を誇る浄土真宗と曹洞宗。それぞれの宗祖である親鸞と道元は、ともに鎌倉仏教の旗手として斬新かつ独創的な思想を展開、日本仏教の行く末を大きく変えた。しかし両者を比較すると、「念仏(南無阿弥陀仏)と坐禅(只管打坐)」「救い(絶対他力)と悟り(修証一等)」など、極めて対照的。同じ仏教を掲げながら、なぜここまで違うのか――。多様で寛容な日本仏教の魅力に迫り、宗教の本質を問う。
目次
はじめに
序章 生涯と思想
親鸞の生涯/『教行信証』にみる親鸞の思想/如来より賜りたる信心/道元の生涯/身心脱落:仏道修行の出発点/只管打坐/正伝の仏法:正統性の強調
第一章 機と法
「法」の意味/「機」の意味/否定的な人間観/最低最悪の自己と無我/末法観の相違/法を機に近づける/機を法に近づける
第二章 出家と在家
仏教における出家と在家/「非僧非俗」の意味するところ/出家至上主義/仲間(同朋)とともに/出家者と在家者の高い壁/仏教における戒律の位置づけ/無戒の親鸞/持戒の道元/菩薩としての親鸞と道元
第三章 師匠と弟子
仏教における師資相承(血脈・法脈)/法然と親鸞/如浄と道元/親鸞と唯円/道元と懐奘/「自力の念仏に陥ってはならない」──『歎異抄』より/「善悪は縁にしたがっておこる」──道元の人間観
第四章 救いと悟り
如来蔵(仏性)思想とは何か/本覚思想と仏教の世俗化/此岸と彼岸の距離感/真実の信心とは/救いの先取り/「修行と悟りは一体である」──修証一等/行持:修行の継続性/絶えざる修行
第五章 特殊と普遍
末法観の変遷:道綽から法然へ/親鸞の末法観/真実の教えとしての浄土教/ブッダ出世の本懐とは/存在と時間/而今:永遠の今/而今の山水:時間と空間/特殊から普遍へ/親鸞と道元における普遍化の背景
第六章 改読と転釈
聖典解釈の歴史/親鸞の改読:阿弥陀仏の絶対肯定/親鸞の改読:人間存在の絶対否定/親鸞の転釈/道元の改読/道元の転釈/改読と転釈の根拠:宗教経験の重要性
終章 自力と他力──宗教の本質を問う
ブッダの仏教は自力の教えか/宗教とは何か/道元仏教の他力性/吾我の否定と無我/自力と他力
おわりに
引用文献ならびに主要参考文献
引用文献ならびに主要参考文献
書誌情報
読み仮名 | シンラントドウゲン |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 224ページ |
ISBN | 978-4-10-610939-3 |
C-CODE | 0215 |
整理番号 | 939 |
ジャンル | ノンフィクション |
定価 | 880円 |
電子書籍 価格 | 880円 |
電子書籍 配信開始日 | 2022/02/17 |