野村萬斎―なぜ彼は一人勝ちなのか―
924円(税込)
発売日:2022/03/17
- 新書
- 電子書籍あり
天才は、必然か。偶然か。古典芸能の歴史が丸わかり。
野村萬斎は、今では子どもから大人までその名を知る人気俳優であり、演出家としても活躍する、狂言方・和泉流の能楽師。だが、多くの伝統芸能の役者の中で、なぜ彼だけがそうなれたのか。萬斎個人の軌跡、政官界から作家・永井荷風らともつながる華麗なる家系はもちろん、能・狂言の歴史を丁寧に紐解き、それぞれの流派の背景や、明治維新から戦後、そして現代までの流れをわかりやすく解説する。古典芸能の教養書。
目次
始めに――萬斎をめぐる必然と偶然
第一章 縦横無尽
狂言サイボーグ/口伝が基本/自分で選ぶ/狂言師の卒業論文/イギリス留学/新作の演出/古典の工夫/時代劇の師匠/エイスケさん/「陰陽師」/演劇の俳優として/シェイクスピアへ/「スサノオ」/ロンドンでの日々/「子午線の祀り」/シェイクスピアとギリシャ悲劇/「世田パブ」の芸術監督/枠を超え/ある敏腕プロデューサー
第二章 狂言方の強み
能楽師の格/天覧を目指せ/歌舞伎と能/歌舞伎の演技術/能と狂言/シテ方の演技術/狂言方の演技術/「世阿弥の再来」/掟破りの観世栄夫/興行に向く狂言/生かせなかった強み/発揮される強み
第三章 中庸の芸風
狂言の流儀と家/三つの家/「堅く守って滅びよ」/お豆腐狂言/江戸前狂言
第四章 名人の血脈
加賀藩の町役者/職人兼能役者/万造の上京/万造、騙される/急場しのぎに勤め人/ドサ回りから天覧まで/松の木のように曲がった芸/三宅藤九郎家の継承/六世万蔵/狂言の地位向上/名人芸の兄 理論家の弟/「人間国宝」の三兄弟
第五章 異質な血
華麗なる一族/祖父と永井荷風・高見順/感性と知性
第六章 父の轍
「違いがわかる男」/「芸術家」への決意/錚々たる面々/賛否両論の武智作品/「楢山節考」への挑戦/演劇への回帰/海外公演への思い/崑劇との交流/名伯楽
第七章 二つの壁
剛腕宗家/宗家継承騒動/手強い従兄
終わりに――萬斎がいなかった「東京2020」
付録(1) 家系図
付録(2) 野村萬斎略年譜
主要参考資料
付録(2) 野村萬斎略年譜
主要参考資料
書誌情報
読み仮名 | ノムラマンサイナゼカレハヒトリガチナノカ |
---|---|
シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 256ページ |
ISBN | 978-4-10-610944-7 |
C-CODE | 0274 |
整理番号 | 944 |
ジャンル | ノンフィクション |
定価 | 924円 |
電子書籍 価格 | 924円 |
電子書籍 配信開始日 | 2022/03/17 |