寿命ハック―死なない細胞、老いない身体―
1,210円(税込)
発売日:2022/12/19
- 新書
- 電子書籍あり
世界的ベストセラー! 22か国で翻訳。「不老不死」を攻略する。若き分子生物学者が教える最新研究×実践メソッド。
近年、「老化は治療可能な病気」とみなす研究者は多く、アンチエイジングから不死に至るまで研究は隆盛を極める。実際、自然界には四〇〇年近く生きるサメや、根系が一万四〇〇〇年以上生き続ける樹木、果ては若返るクラゲも存在する。永年の夢だったはずの「不老不死」は今、いったいどこまで実現可能になっているのか。研究の最先端と未来を、ユーモアを交えて分かりやすく解説。実践的アドバイスも紹介する。
第1章 長寿の記録
第5章 あなたを殺さないものは……
第18章 楽しく飢える
訳者あとがき
書誌情報
読み仮名 | ジュミョウハックシナナイサイボウオイナイカラダ |
---|---|
シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 304ページ |
ISBN | 978-4-10-610977-5 |
C-CODE | 0240 |
整理番号 | 977 |
ジャンル | 生物・バイオテクノロジー |
定価 | 1,210円 |
電子書籍 価格 | 1,210円 |
電子書籍 配信開始日 | 2022/12/19 |
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蘊蓄倉庫
世界的ベストセラーのわけ
本書の著者は「今もっとも期待されている研究者の一人」と称される、まだ20代の気鋭の分子生物学者です。本国デンマークで刊行されるやたちまちベストセラーとなり、著者はメディアで引っぱりだこになりました。「不老不死は可能だ!」とか、「こうすれば元気で長生き!」などと派手にうたっているわけでもないのに、なぜそんなに評価されたのでしょう。
ひとつには、現代の最新研究を紹介している、ということはあったでしょう。著者がイケメンだということもあったかもしれません。また、科学リテラシーに富んだ読者なら読めばおわかりになると思いますが、とても「公正」に本書は書かれています。著者の誠実な人柄が伝わってきます。
個人的には、「ちょっとしたストレスはあった方が生物は長生きする」「孤独は死を早める」「心は体をコントロールする」といった、わたしたちが日々なんとなく「そうではないかな?」と思いながらも確かめ得ずに来たさまざまなことに、著者が科学的見地から気づきを与えてくれる――それが本書をベストセラーにしたのではないかな? と思っています。
科学はこれほどわたしたちの身近にあり、実はすでに人間のさまざまな未来を指し示してくれているのか、という驚きも与えてくれる一冊です。
掲載:2022年12月23日
担当編集者のひとこと
身長と寿命の法則
自然界には人間より遥かに長生きな生き物たちが存在します。390歳を迎えたグリーランド・シャークや、200歳を超えたホッキョククジラ、ギネス記録を更新した190歳のゾウガメなど、その種別は様々ですが、彼らを観察してきた観察者たちによると一つの大きな法則が見えてくるといいます。そう、体が大きい生き物であるという点です。では同じ種の中ではどうでしょうか。
イヌを例に挙げてみますと、チワワとグレートデーンではどちらが長生きでしょうか。実は体の小さなチワワの方がグレートデーンより2倍も生きることがあるのだそうです。つまり。体の大きな種は小さな種よりも長生きですが、同じ種の中ではこの原則は逆になると本書の著者は説きます。
人間の男女の平均寿命を見ると、女性の方が明らかに長生きなことがわかります。一般に同じ種のメスとオスでは、メスの方が長生きであることが多いのだそうですが、その理由は、メスの方が身体が小さいことと深い関係があるようですね。もちろん個体差は大きいですが、小さければ小さいほどその種の中では長寿ということが法則として浮かび上がってくると著者は言うのです。
2022/12/23
著者プロフィール
ニクラス・ブレンボー
Brendborg,Nicklas
1995年生まれ。デンマーク出身。コペンハーゲン大学分子生物学博士課程に在籍する、気鋭の若手研究者。『寿命ハック―死なない細胞、老いない身体―』は本国デンマークでベストセラーとなり、世界22カ国以上で翻訳されている。著書に『TOP STUDENT』、Lars Tvede氏との共著『SUPERTRENDS』がある。
野中香方子
ノナカ・キョウコ
翻訳家。お茶の水女子大学文教育学部卒業。『ネアンデルタール人は私たちと交配した』『エピジェネティクス 操られる遺伝子』など訳書多数。