失礼な一言
924円(税込)
発売日:2023/05/17
- 新書
- 電子書籍あり
「おい若手」「これウチの嫁」「そのお歳で」全部NGです。「地雷」だらけの人間関係の歩き方。
「きれいになったね」「赤ちゃんはまだ?」「独身は自由でいいよね」「食べていけるの?」「おい、生中(なまちゅう)」。家庭や職場や仲間うちで何気なく言ってしまうマナー違反の言葉の数々。自分では気をつけているつもりでも、つい口にしてしまう“失礼な一言”がもたらす行き違いを回避するにはどうすればいいのか。日常会話からメールやLINEのやりとり、SNSへの投稿まで、様々な局面で知っておきたい言葉のレッドライン。
飲食店での恥ずかしい所業
花粉症にまつわるムズムズ
ペットをめぐる意識の断絶
お金という油断大敵な魔物
会社の飲み会における無礼
「ルッキズム」のトリセツ
敬語という便利で怖い道具
慣用句の「正解」って何?
電話は失礼な通信手段か?
メールで評価を落とす方法
フェイスブックという魔窟
日常会話にひそむ落とし穴
さわらぬ学歴に祟りなし!?
ハーフを悩ます失礼の洪水
ハーフの本音とマスク生活
田舎vs都会の不毛なバトル
「老害」という厄介な落とし穴
カミングアウトとアウティング
二丁目に行って聞いてみた
在日コリアンに抱く罪悪感
在日コリアン三世の戸惑い
子育てへの口出しは愚挙か
家族の悪口という暴発装置
結婚の話題という危険地帯
「嫁」をイビリたい人たち
離婚した人を傷つける禁句
本当はこわい冠婚葬祭の掟
人様の「好き」を否定する
被害者の“落ち度”を探す
善意にひそむ凶暴な破壊力
昭和の頃はOKだった狼藉
その「礼儀正しさ」は不快
反射的に批判するという病
失礼被害を最小限に抑える
失礼な発言の源流をたどる
書誌情報
読み仮名 | シツレイナヒトコト |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
雑誌から生まれた本 | 週刊新潮から生まれた本 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 256ページ |
ISBN | 978-4-10-610998-0 |
C-CODE | 0236 |
整理番号 | 998 |
ジャンル | 実用・暮らし・スポーツ、常識・マナー、生活情報 |
定価 | 924円 |
電子書籍 価格 | 924円 |
電子書籍 配信開始日 | 2023/05/17 |
蘊蓄倉庫
「おじさんLINE」にご用心。
日本人にとってSNSで一般的なのは、FacebookでもTwitterでもなく、国内の利用者数は約9300万人を誇る「LINE」。そのLINEがらみで気をつけたいのが、数年前から話題の「おじさんLINE」。その名の通り、おじさんが若い女性に送るLINEには、なぜか共通点があり、それが失笑(憎悪?)の対象になっているらしいです。たとえば、
〈おはよう ゆうこチャンは、もう起きたカナ? おじさんは今日も仕事です…
寒いから、ゆうこチャンとしっぽりにでも行きたいナ ナンチャッテ(^^; じゃあね〜(^o^)/〉
若い女性のあいだでは、同性の友達とこの手の文面をやり取りして笑い合う「おじさんLINEごっこ」という遊びまであるのだとか。最近では「40歳を過ぎたら、おじさん」が始まるというのが一般的な認識らしいですから(Chat GPTがそうおっしゃっています)、若いつもりの男性も、知らず知らずのうちに、文体が「おじさんLINE」っぽくなっていないか、女性への返信の時は気をつけたほうがいいかもしれません。
掲載:2023年5月25日
担当編集者のひとこと
「失礼」されたときの対処法
相手の感情を逆なでするようなことを言わないように気をつける。こちらから「失礼」をしない日頃の知恵ですが、そう常に心がけていても、「ぽろっと」無礼なことを口走ってしまうものです。考えてみれば、それは相手も同じこと。それなら、自分が失礼な言動をしないことと同時に、言われたときに「失礼被害」を最小限に抑えることも大切です。本書の中で、著者の石原壮一郎氏は、自分が受けた「失礼」に対して、心の中でうまくそれを回避する全5条を挙げています。
その第1条が、「心の中で相手を見下す」。つまり、平気で失礼な言動をしてくる人は、こちらの気持ちへの想像力が足りなかったり、どういうことを言ってはいけないかという当たり前の知識がなかったりします。こっそり「かわいそうな人」「残念な人」と見下してしまいましょう。第2条が、「異世界の生き物だと思う」。価値観や常識は人それぞれなので、「この人は異世界に生きてるんだ」と割り切るというもの。たとえば、会うたびに「早く孫の顔を」と言ってくる義父母も、そういう価値観の世界に生きているので仕方ないと思えば、お互いの違いを客観的に見ることができます。
さらに、「相手が失礼なことを言ってくるセコイ理由を見抜く」(第3条)ことで、憐れみの感情で怒りを押し流す。相手がそういう性格なんだなと片づけて、無理に「相手の性格や考え方を変えようと思わない」(第4条)。最後の第5条が、自分の人生に必要ない人だと考えて「心の距離を取る」。
うっかり反撃して、相手と同じ土俵に乗ることを避ける、この石原流「失礼被害を最小限に抑える」方法は、頭に血が上ってもヘンに戦闘的にならない、現代人に最も必要とされる「大人の失礼撃退法」と言えます。
2023/05/25
著者プロフィール
石原壮一郎
イシハラ・ソウイチロウ
1963(昭和38)年三重県生まれ。コラムニスト。1993年『大人養成講座』がデビュー作にしてベストセラーに。『大人力検定』『父親力検定』『大人の言葉の選び方』『無理をしない快感』など著書多数。故郷を応援する「伊勢うどん大使」「松阪市ブランド大使」も務める。