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言い訳するブッダ

平岡聡/著

858円(税込)

発売日:2023/08/18

  • 新書
  • 電子書籍あり

「お釈迦様は眠らない」「殺人鬼も解脱できる」「肉食禁止の抜け道」「極楽に女性はいない!?」仏教を進化させるために、「嘘も方便」も必要だった――。「言い訳」で理解する仏教入門!

仏教の教えには、たくさんの“矛盾”がある。その矛盾を解消しようと、ブッダの後継者たちは必死になって「言い訳」を積み重ねてきた。同時にそれは、仏教を世に広めようという涙ぐましい努力の跡でもあった――。「ブッダは眠らない?」「殺人鬼も解脱できるワケ」「肉食禁止の抜け道」……難解で非合理的な教義も、すべて「嘘も方便」だとわかれば、もう仏教なんて怖くない! 仏教を進化させた「言い訳」から、その本質に迫る。

目次
はじめに
第一章 眠らないブッダ
ブッダとは誰か/ブッダの異名/ブッダの身体的特徴/ブッダは眠らない・ブッダは夢を見ない/瀬戸内寂聴さんの小説『釈迦』/極楽に女性はいない・女性は仏になれない/仏像がなかった仏教/菩薩像という言い訳/仏はダメだけど菩薩なら……/菩薩時代の言い訳/ブッダは何でも知っている?/ブッダは笑うのか
第二章 悪業をめぐる苦しい言い訳
仏教はなぜ輪廻を認めたのか/人生は生きるに値するか/業報思想という言い訳/高弟マウドガリヤーヤナも殺された/殺された阿羅漢は他にもいた/殺人鬼アングリマーラ/颯爽と登場するブッダ/悪人が阿羅漢になったら……/小さな言い訳から大きな言い訳へ/最大の言い訳/『アングリマーラ経』に埋め込まれたもう一つの言い訳/足を怪我したブッダ/逃げ回るブッダ/ブッダも悪人だった
第三章 布教のための言い訳
六つの神通力/神通力は見せびらかしてはいけない/独覚の神通力/「舎衛城の神変」の言い訳/必殺、千仏化現!/聖地巡礼という布教戦略/“神変”を欲した背景/「死に場所」は大都会こそふさわしい/田舎で亡くなることの言い訳/「方便」という万能薬/方便、恐るべし!/政治的な創作
第四章 戒律の抜け道
五戒にまつわる言い訳/三帰/二帰依の言い訳/戒体と受戒作法/師資相承にまつわる言い訳/受戒の言い訳/分裂した教団/出家者とお金の関係
第五章 言い訳から生まれた大乗仏教
経蔵――壮大な伝言ゲーム/律蔵と論蔵――後追いの規則と理屈/密意と法性と隠没――論蔵も仏説だ!/逆転する三蔵の関係/論蔵仏説から大乗仏説へ/新旧を逆転させる隠没という言い訳/大乗仏教の涙ぐましい努力
第六章 仏教は言い訳で進化した
キリスト教も会通する/中国仏教の仏教者に継承された言い訳のDNA/日本の仏教研究者に継承された言い訳のDNA/見苦しい言い訳/言い訳の価値を再発見する
おわりに
参考文献

書誌情報

読み仮名 イイワケスルブッダ
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-611008-5
C-CODE 0215
整理番号 1008
ジャンル 宗教
定価 858円
電子書籍 価格 858円
電子書籍 配信開始日 2023/08/18

著者プロフィール

平岡聡

ヒラオカ・サトシ

1960(昭和35)年京都市生まれ。京都文教大学教授。浄土宗僧侶。専門は仏教学。佛教大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。著書に『ブッダと法然』『南無阿弥陀仏と南無妙法蓮華経』『親鸞と道元』『なぜ仏教は多様化するのか』『理想的な利他』など。

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