テレビ局再編
880円(税込)
発売日:2024/01/17
- 新書
- 電子書籍あり
「テレビ離れ」「CM減収」「電波利権」「オワコン批判」。はたして生き残れるのか? キー局元経営幹部が徹底分析!!
203Q年、地方局の統廃合が始まり、その10年後にキー局は3つになる――。長きにわたってメディア界の覇者として君臨してきたテレビだが、広告収入はネットに追い抜かれ、「オワコン」と揶揄する声も。落日の巨人はどうすれば栄光を取り戻すことができるのか? その具体的な道筋とは? 我が国のテレビ70年の歴史を振り返りながら、キー局の元経営幹部がいま明かす、終わりなきテレビの未来とは。
書誌情報
読み仮名 | テレビキョクサイヘン |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 224ページ |
ISBN | 978-4-10-611025-2 |
C-CODE | 0234 |
整理番号 | 1025 |
ジャンル | ビジネス・経済、産業研究 |
定価 | 880円 |
電子書籍 価格 | 880円 |
電子書籍 配信開始日 | 2024/01/17 |
蘊蓄倉庫
広告費で見ると歴然「メディアの覇者」の交代
長きにわたってテレビは「メディアの覇者」として君臨してきました。しかし、その栄光の時代は、確実に過去のものになりつつあります。2020年度の日本の広告総額費は6兆1600億円。その中で、インターネット広告が2兆2290億円を占め、初めて第1位を獲得しました。かつての王者、地上テレビ広告は1兆8949億円で第2位に。この差はさらに広がり、2022年度には広告費総額が過去最高の7兆1021億円となる中で、インターネット広告は3兆912億円。もちろん堂々の第1位で、2019年から数えて僅か3年で1兆円の上積みに成功しました。これに対してテレビ広告費は前年よりは回復したものの、1兆8019億円に留まりました。メディアの覇者は、少なくとも広告の面から見ると、テレビからインターネットに明らかに代わったのです。
掲載:2024年1月25日
担当編集者のひとこと
地方のテレビ局はどうなっていくのか?
この本の前半では、1980年代のテレビの黄金時代のことが書かれています。あの頃は、テレビは正にメディアの覇者でした。時代は変わります。そして、この本には地方のことも書いてあります。再編は地方から始まるのですが(「第7章」「第9章」参照)、そうして再編された地方のテレビ局が、生まれ変わって地域の新しいプラットフォームになる可能性もゼロではないと思います(「終章」参照)。あるいは地方がテレビ局をうまく利用することができるのか、という点が問われているとでも言いましょうか。時代が変わり、これまでの体制が崩れるのも、悪いことばかりではないのではないかという気もします。
2024/01/25
著者プロフィール
根岸豊明
ネギシ・トヨアキ
1957(昭和32)年、東京都生まれ。ジャーナリスト、メディア研究者。早稲田大学政経学部卒。日本テレビにて編成、報道、メディア戦略に従事。同社取締役執行役員、札幌テレビ社長を歴任。著書に『新天皇 若き日の肖像』『誰も知らない東京スカイツリー』などがある。