モフモフはなぜ可愛いのか―動物行動学でヒトを解き明かす―
880円(税込)
発売日:2024/02/17
- 新書
- 電子書籍あり
「動物としてのヒト」は謎だらけ! しぐさ、行動、遺伝etc.科学の知見と思索。
ヒトはなぜモフモフしたものを可愛いと感じるのか? 血のつながりと自爆テロとの関連は?――長年、様々な野生動物の行動と習性を研究してきた著者が、SNS上で「ヒトという動物」についての疑問を聞いたところ、硬軟とりまぜて質問が殺到。本書では、その中から厳選した13の問いに対して、動物行動学の知見をもとに鮮やかに回答する。ホモサピエンスに特異的な行動の数々から、人間の本性を解き明かす。
書誌情報
読み仮名 | モフモフハナゼカワイイノカドウブツコウドウガクデヒトヲトキアカス |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 224ページ |
ISBN | 978-4-10-611032-0 |
C-CODE | 0245 |
整理番号 | 1032 |
ジャンル | サイエンス・テクノロジー |
定価 | 880円 |
電子書籍 価格 | 880円 |
電子書籍 配信開始日 | 2024/02/17 |
蘊蓄倉庫
「高い声」と「低い声」
アカジカ(シカの1種)は繁殖期になると、1匹の雄が雌の集団の中に入っていき「ハレム」の状態になります。その1匹を決めるために、雄たちは正に雌雄を決するための闘いをします。その方法は「鳴き合い」。どちらが低い声を出せるかを競うのです。そして、体の大きな雄ジカほど低い声を出すことができるので、小さい雄はその場を去っていきます。ヒキガエルでも同じ現象が起きます。「低い声」恐るべしです。本書13番目のテーマ「赤ん坊に声をかけるとき声が高くなるのはなぜか?」はその逆の状況。「高い声」は敵対的ではなく、親和的なメッセージを発することになるというわけなのです。赤ん坊に、「低いドスのきいた声」で話しかけるのはやめましょう。
掲載:2024年2月22日
著者プロフィール
小林朋道
コバヤシ・トモミチ
1958(昭和33)年岡山県生まれ。公立鳥取環境大学副学長・環境学部環境学科教授。同ヤギ部顧問。岡山大学卒、理学博士(京都大学)。ヒトを含むさまざまな動物について、動物行動学の視点で研究してきた。『ヒトの脳にはクセがある 動物行動学的人間論』など著書多数。