ホーム > 書籍詳細:苦しくて切ないすべての人たちへ

苦しくて切ないすべての人たちへ

南直哉/著

902円(税込)

発売日:2024/04/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

生きているだけで大仕事――。恐山の禅僧が説く、心の重荷を軽くするメッセージ。

この世には、自分の力ではどうしようもないことがある。そのことに苦しみ切なく感じても、「生きているだけで大仕事」と思ってやり過ごせばいい――。「仕方なく、適当に」「万事を休息せよ」「死んだ後のことは放っておけ」など、心の重荷を軽くする後ろ向き人生訓。死者を求め辺境の霊場を訪れる人々、逸話だらけの修行時代、よい宗教とわるい宗教、親ガチャや苦の正体――恐山の禅僧が“生老病死”に本音で寄り添う。

目次
はじめに
第一章 恐山夜話
一 お似合いの場所――「霊場恐山」について
二 後ろ向き人生訓
三 テレビのトラウマ
四 「赦す自分」を赦す
五 名器の霊
第二章 禅僧の修行時代
一 修行道場の怪獣
二 親しき仲にもポリティクス
三 「コミュ力」に必要な本当のこと
四 「ま、いいか」の精神
五 お布施はこわい
六 我が良き友よ
七 忘れる勇気――年齢を忘れよ。過去を忘れよ。自分を忘れよ
第三章 お坊さんらしく、ない。
一 「老師」はつらいよ
二 見かけは問題
三 私の「諸行無常」
四 禅と宇宙
五 住職の地獄耳
六 猫と草履の禅問答――「真理」への欲望
七 育成の困難
第四章 よい宗教、わるい宗教
一 よい宗教、わるい宗教
二 「宗教2世」と「カルト2世」
三 「自己カルト」だったのかもしれない
四 「教祖」になれない
第五章 苦と死の正体
一 行き先の心配
二 「親ガチャ」をゆるせないか
三 ゼロ思考――万事を休息せよ
四 「苦」の正体――覚めない夢、破れる現実
五 死んだ後のことは放っておけ
六 貧学道――「所有」という錯覚
七 命の種――「あなたがそこにいてくれるだけでいい」

書誌情報

読み仮名 クルシクテセツナイスベテノヒトタチヘ
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
雑誌から生まれた本 考える人から生まれた本
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 240ページ
ISBN 978-4-10-611037-5
C-CODE 0215
整理番号 1037
ジャンル 宗教
定価 902円
電子書籍 価格 902円
電子書籍 配信開始日 2024/04/17

担当編集者のひとこと

生きているだけで大仕事

 2022年9月放送NHK「ブラタモリ」の恐山特集にも登場した、「恐山の禅僧」こと南直哉氏の新刊が『苦しくて切ないすべての人たちへ』です。同書は、WEBマガジン「考える人」で約3年にわたり連載していたもので、更新のたびに読者から熱い反応が寄せられていました。
 タイトルの「苦しくて切ないすべての人たちへ」と帯の文言にもある「生きているだけで大仕事」というキャッチフレーズは、「仏教が手を伸ばそうとするのは、苦しくて切なくて悲しい思いをしている人たちで、その人たちのためだけに、仏教はある。(略)僕たちは誰も生まれようと決心して生まれてこない。(略)問答無用でこの世界に投げ出され、一方的に体と名前を押し付けられて、『自分』にさせられる。まさに不本意なまま、予め人生は始まってしまっている。これが重荷でなくて何が重荷と言うのか。もう生き始めた最初から、すでに大仕事になっているのだ」という本文中の言葉からとったものです。
「仕方なく、適当に生きる」「万事を休息せよ」「死んだ後のことは放っておけ」など、悩み苦しみながら生きている人たちに向けた30のメッセージ。死者に会うために辺境の霊場を訪れる人々、逸話だらけの修行時代、よい宗教とわるい宗教など、「恐山の禅僧」が仏教の智慧をベースに、人々の苦しみの根源である「生老病死」に本音で寄り添います。

2024/04/25

著者プロフィール

南直哉

ミナミ・ジキサイ

禅僧。恐山菩提寺院代、霊泉寺住職。1958年長野県生まれ。1984年、出家得度。曹洞宗大本山・永平寺での修行生活を経て、2005年より恐山へ。2018年、『超越と実存』で小林秀雄賞受賞。著書に『老師と少年』『恐山 死者のいる場所』『正法眼蔵 全新講』など。

この本へのご意見・ご感想をお待ちしております。

感想を送る

新刊お知らせメール

南直哉
登録
宗教
登録

書籍の分類