
トランプ再熱狂の正体
924円(税込)
発売日:2024/08/19
- 新書
- 電子書籍あり
なぜそれでも支持されるのか? 分断国家アメリカの「今」に迫る第一級レポート!!
二〇二四年の米大統領選に、トランプが帰ってくる。前回選挙の敗北を受け入れず、司法当局の追及も受ける男に、なぜ国民は再び熱狂するのか。国外から見れば不可解な現象も、支持者の声にじっくりと耳を傾けると、その正体が浮かび上がる。トランプ支持には相応の論理があり、共感を呼ぶものも少なくない。選挙が終わっても国民を分断する価値観の衝突は終わらない。アメリカの「今」を解き明かす第一級レポート。
書誌情報
読み仮名 | トランプサイネッキョウノショウタイ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 256ページ |
ISBN | 978-4-10-611043-6 |
C-CODE | 0220 |
整理番号 | 1043 |
ジャンル | 評論・文学研究、ノンフィクション、歴史・地理 |
定価 | 924円 |
電子書籍 価格 | 924円 |
電子書籍 配信開始日 | 2024/08/19 |
蘊蓄倉庫
「メリークリスマス」ではなく「ハッピー・ホリデイズ」
いまアメリカで「メリークリスマス」という言葉は使われにくい言葉だそうです。クリスマスはキリスト教徒にとっては祭日ですが、他の宗教の人々にとっては特別な日ではありません。であれば、「メリークリスマス」はポリティカリー・インコレクト(政治的に正しくない)であり、「ハッピー・ホリデイズ(良き休暇を)」というのが正解、ということになります。この例に象徴されるように、アメリカの価値観は急速に変化しているのですが、こうした変化に対して、反発や焦り、不安を覚える人は少なくありません。「アメリカを再び偉大に」(Make America Great Again=MAGA)という、過去への郷愁を感じさせるトランプの決めぜりふが多くの人の共感を呼ぶのはそのためです。このMAGAの考え方は、トランプが大統領選で敗れたとしても、保守層の間に残り続けることになります。アメリカの「分断」が、簡単に消えることはなさそうです。
掲載:2024年8月23日
著者プロフィール
辻浩平
ツジ・コウヘイ
NHK報道局国際部記者。早稲田大学政経学部卒。エルサレム支局長、政治部などを経てワシントン支局(2020~2023)でホワイトハウスを取材。現ウラジオストク支局長。英オックスフォード大学ロイタージャーナリズム研究所では客員研究員としてメディアの信頼性について研究。