ホーム > 書籍詳細:不倫の心理学

不倫の心理学

アンジェラ・アオラ/著 、安達七佳/訳

1,430円(税込)

発売日:2024/06/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

なぜ、する? なぜ、される? 夫の不倫で離婚した女性心理学者が男と女の性と性(サガ)を徹底探究! スウェーデン発ベストセラー!

男も女も、既婚者の五人に一人は不倫経験があるという――人はなぜ不倫するのか。原因は夫婦関係か、それとも生物学的本能か。発覚すると多くのカップルが破局するのに、それを乗り越えたとき、逆に絆が強くなるのはなぜなのか? パートナーシップをめぐる尽きない問いに、夫の不倫から離婚を経験した心理学者が向き合い、男と女の性と性(さが)を徹底的かつ赤裸々に描きだす。スウェーデン発、国際的ベストセラー上陸!

目次
はじめに――夫の不倫をきっかけに
以下、危険地帯につき注意[ヴェラとヨーアルの登場/本書についての注意事項]
ヴェラその1[自己憐憫に浸る飲んだくれ/パートナーシップを変える瞬間] ヨーアルその1[実はいい夫婦だったのに/セックスは“それほど大事じゃない”/妻からの「ノー」] 心理学者アンジェラその1[夫の不倫/不倫や浮気の統計]
ヴェラその2[初めての相手との結婚/何かが死んだ日/苛立つ夫と不当な扱い/夫婦のパワーバランス] ヨーアルその2[職場での出会い/ハイジの離婚理由] 心理学者アンジェラその2[私の離婚理由/どこからが浮気か/浮気の定義]
ヴェラその3[セックスしたがらない夫/浮気専用出会い系サイト] ヨーアルその3[ハイジとの急展開/禁断の関係] 心理学者アンジェラその3[浮気・不倫を乗り越えるカップル/浮気・不倫と離婚の割合]
ヴェラその4[出会い系サイトでの出会い/不倫のハードル] ヨーアルその4[ハイジとの蜜月/自己との葛藤] 心理学者アンジェラその4[性的欲望と不確実性/パートナーシップとエロティシズム]
ヴェラその5[浮気発覚?/現行犯逮捕/何人もの男たち] ヨーアルその5[妻への告白/夫婦関係の整理] 心理学者アンジェラその5[パートナーシップとドーパミン/浮気・不倫はどうやって発覚するのか/浮気発覚の統計的調査]
ヴェラその6[危機は続く/怪しむ夫/バレる人、バレない人/セックスレスとパートナーシップ] ヨーアルその6[焼けぼっくい/離婚の決断/揺れと迷い/不倫が夫婦関係にもたらすもの] 心理学者アンジェラその6[離婚のストレスと結婚の後遺症/真実と裏表のない事実/結婚の季節、離婚の季節]
ヴェラその7[初めての相手選び/不倫デビュー/初めての婚外セックス] ヨーアルその7[「不安定な回避型」の女性/交換可能な存在/夫婦を成り立たせてきたもの] 心理学者アンジェラその7[「一度浮気したらまた浮気する」は本当か/様々な種類の浮気/“仕返し”で浮気するデメリット/一夫一妻制か乱婚制か/脳の構造と浮気]
ヴェラその8[昼休みの新しい過ごし方/男性選びは続く/コンドーム事件/愛人か恋人か/コンドーム事件再び] ヨーアルその8[職場での出会いを求めて/精神的なつながりを求めても] 心理学者アンジェラその8[浮気・不倫をしがちな人/性格の影響/浮気・不倫は良い関係でも起こるのか?/自己拡大モデル/特に危険なシチュエーション]
ヴェラその9[コンドーム事件の余波/セルフイメージの回復/パートナーに求めるもの/セックスは愛情とパートナーシップの証明書/重要なのはセックス以外の何か?] ヨーアルその9[愛人が他の人とデートしていたら?/付き合いと束縛の線引き/近づけば離れる、離れれば近づく/ゲームは続く] 心理学者アンジェラその9[浮気・不倫発覚時のリアクション]
ヴェラその10[離婚を切り出す/何が原因だったのだろう?/離婚を後悔しそうになる] ヨーアルその10[結婚が終わる時/出会いは何のため?] 心理学者アンジェラその10[愛人側の事情/すぐに離婚する人、しない人/不倫をしても家庭に留まる理由/パートナーシップのゆくえ]
ヴェラその11[ストーカー化する元夫/不倫は“心の安定剤”になりえたか] ヨーアルその11[独身生活は難しい] 心理学者アンジェラその11[浮気・不倫から2人の関係を守れるか?/パートナーシップの再出発点/カップルの未来を左右する要因]
おわりに――3人の現在
訳者あとがき

書誌情報

読み仮名 フリンノシンリガク
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 352ページ
ISBN 978-4-10-611046-7
C-CODE 0211
整理番号 1046
ジャンル 心理学
定価 1,430円
電子書籍 価格 1,430円
電子書籍 配信開始日 2024/06/17

蘊蓄倉庫

どうやって「浮気」を乗り越える?

 本書で著者は、さまざまな調査結果から、大まかに言って未婚カップルの30~40%、既婚者の約20%が少なくとも1回は不貞行為を働いた経験があると結論づけています。パートナーシップ全体で5人に1人から2人という数字はかなりな数字ですが、こうした「浮気」や「不倫」がパートナーに露見した場合についても著者は数字を引いています。ある調査では、54.5%が浮気発覚後すぐに「関係を解消」、30%が関係を続けようとしたものの「のちに破局」、15.5%のカップルが浮気を「乗り越えた」のだそうです。別の調査では、「一夜限りの関係」の場合、19.7%のカップルがその後も一緒にいることを選び、「長期にわたる浮気」だった場合、その割合は12.7%だったそう。いずれにせよ「浮気を乗り越える」カップルが10数%存在するわけですが、さてその理由については本書でご確認ください。

掲載:2024年6月25日

担当編集者のひとこと

パートナーと向き合えていますか?

 本書は夫に不倫をされ、離婚せざるを得なくなった女性心理学者が一念発起、不倫・浮気の膨大な資料を渉猟し、フィールドワークまで行って「不倫・浮気とは何なのか」についてまとめ上げた力作です。浮気や不倫を取り上げた本は他にも多々ありますが、本書が珍しいのではないかと思うのは、浮気や不倫が発覚した後もパートナーシップを続けるカップルが一定数いることに着目している点です。
 著者はそうしたカップルの調査結果や取材から、浮気や不倫は「パートナーシップに致命的な打撃を与えるだけでなく、新たな出発点にもなりうる」とも書きます。危機をバネにして新しい何かを生み出すことは可能だと説き、「共感と包容力があれば回復と継続の道が開ける」とも言います。カップルがそうした道を選択できる根底には、「どんなパートナーシップを築いてきたか」「どんなパートナーシップをこれから築くか」といったことが大きいようです。
 個人的には、「自分はきちんとパートナーと向き合えているだろうか?」と少々ひやりとさせられましたが――本書はそんな風に、連れ添ってきたパートナーとの来し方、行く末を改めて考えるよいきっかけをくれるのではないでしょうか。

2024/06/25

著者プロフィール

1974年スウェーデン生まれ。心理学者。ストックホルム大学で心理学博士号を取得、ストックホルム商科大学でウェルスマネジメントを修める。専門は知覚心理学。スウェーデン国内で最も人気のある講演者の一人で、メディアへの登場も多い。著書多数。

安達七佳

アダチ・ナナカ

1983年東京都生まれ。美術家、カメラマン、翻訳家。東海大学文学部卒業、東京藝術大学大学院修了。ヨーテボリ大学芸術学部卒業。スウェーデン在住。

この本へのご意見・ご感想をお待ちしております。

感想を送る

新刊お知らせメール

アンジェラ・アオラ
登録
安達七佳
登録
心理学
登録

書籍の分類