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人生で大損しない文章術

今道琢也/著

858円(税込)

発売日:2024/07/18

  • 新書
  • 電子書籍あり

受験、就職、昇進、転職。印象が、ガラリと変わる。学生から社会人まですぐに使えるテクニック8選。

受験に就活、転職に昇進……世の中は意外なほど、文章力を問われる場であふれている。そこをうまくクリアできないと、人生を左右するチャンスを逃すことにもなりかねない。では、相手に「伝わる文章」、試験で高評価を得られる文章を書くためには、いったいどうすればいいのか? 文章指導の達人が、多くの人が陥りやすい間違いを解き明かし、まずは問題をきちんと読むことから始まる「正しい手順」を明快に伝授!

目次
はじめに この世は文章力を問われる場であふれている
第一講 「書く」ことではなく「読む」ことから始める
「主語を明確にすること」「結論をはっきりさせること」……こうしたことの前に、「問題文をよく読むこと」が一番大事です。
第二講 具体性が文章の納得感・評価を決める
大事なところは絶対に抽象論に逃げてはいけません。どんな文章でも「具体性」が印象、評価を大きく左右します。
第三講 どんな実用文にも対応できる「文章作成の手順」
文章の型が役に立つこともありますが、頼るのは危険です。それよりも次の四つの基本的な手順を練習問題で覚えましょう。
1 問題文の趣旨を正確に理解する
2 問われていることを元に、構成を立てる
3 「主張」「理由」「具体例」を基本に材料を集め、下書きを作る
4 日本語表現に気をつけながら、文章にする
第四講 答案の印象を変える技八選
前講までで押さえた基本を踏まえ、さらに質を高めます。文末表現の工夫や接続詞の使い方など八つの技とは。
1 複数のことを書くときは、カテゴリー分けする
2 一つの段落に書くことは、一つのテーマに絞る
3 大事なこと、効果的なことから先に書く
4 文末表現で差をつける
5 積極性のある表現、力強い表現で印象づける
6 題名は魅力的なものをつける
7 接続詞などでメリハリをつける
8 問われていることの答えがどこにあるのか分かりやすく伝える
第五講 文章術の完全習得を目指す 練習問題四選
最後に練習問題で、本書で紹介した文章術を完全習得。どういう手順で、何に注意すべきかをよく考えて。
おわりに

書誌情報

読み仮名 ジンセイデオオゾンシナイブンショウジュツ
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-611051-1
C-CODE 0270
整理番号 1051
ジャンル 実用・暮らし・スポーツ、アート・建築・デザイン
定価 858円
電子書籍 価格 858円
電子書籍 配信開始日 2024/07/18

インタビュー/対談/エッセイ

よく読みましたか?

今道琢也

 突然ですが、次の問をよく読んで、短い文章を考えてみてください。

問 業務におけるコミュニケーションの重要性について述べてください

 できましたか? 簡単だったでしょうか。
 では、改めて聞きます。問を「よく読んで」文章を考えましたか? 本当に「問の意味」を理解できていますか? わざわざこのようなことを言うのは、問を「よく読まずに」答えを書く人が余りにも多いからです。
 私は10年前にNHKを退職し、インターネット上に小論文指導専門の塾を創業しました。どれだけの需要があるだろうかと、不安を持ちつつの船出でしたが、蓋を開けてみると、高校・大学入試から、就職試験、昇進試験まで、ありとあらゆる相談が寄せられました。「こんなにも多くの人が文章作成で悩んでいるのか」と、驚いたものです。
 そして、もっと驚いたのは、多くの人が問を読まずに解答を書いているという事実です。小論文にせよ、エントリーシートにせよ、「このようなことを書け」という指示があります。多くの人は、それを読まずに解答を書いているのです。
 もちろん、一応問に目は通しているのでしょうから、「読まずに」というのは少し言い過ぎかもしれません。少なくとも、問を「よく読まずに」書いていることは確かです。
 前掲の問いかけであれば、「重要性」の意味を正確に理解できるかどうかが鍵です。この問を見たときに、「重要性を述べる、とはなんぞや」と一度自分に問いかけたでしょうか。ここができたかどうかで答案の評価は大きく変わります。では、どんな文章であれば、問を理解した解答といえるのか。その答えは、本書に記しています。
 人生には、文章の出来不出来によって、その後が大きく左右される場面が何度かあります。例えば、大学入試です。小論文を課す大学がたくさんありますし、総合・学校推薦型選抜では、志望理由書などを書く必要があります。就職試験ではエントリーシートの記入が求められますし、昇進試験で小論文を課す会社は多数あります。このような場面で、的確な文章を書くことができれば、とても有利ですし、そうでなければ大損をします。実際、教員・警察官になりたいけれど、小論文が書けないためにどうしてもなれない、係長に昇進したいけれど、毎回小論文試験で落とされている、そんな人が世の中にはたくさんいるのです。
 本書では、文章作成のポイントをできる限り単純化し、分かりやすくまとめてあります。是非とも本書を読んでいただき、「文章で大損することのない人生」を送ってください。

(いまみち・たくや ウェブ小論文塾代表)

波 2024年8月号より

蘊蓄倉庫

書く前に読むべし!

『人生で大損しない文章術』の著者、今道琢也さんは、下は中学生から上は70代まで、あらゆる年齢層に文章指導を行ってきました。何千人もの人々を指導する中で、今道さんはあることに気づきます。多くの人が文章作成に関して、根本的な勘違いをしているというのです。その勘違いとは「文章の型を覚えれば書けるようになる」「5W1Hを明確にすることがポイント」など。確かにどこかで聞いたことがある話で、もちろん文章作成の役には立ちますが、今道さんによれば、それは本質ではありません。では、最も大事なことは何かというと「問題の文章をよく読み、理解すること」。逆に言うと、この「書く前に読む」ことの大事さを、多くの人が理解していないというのです。それを念頭に置きながら、どうやったら「誰が読んでも伝わる文章」が書けるようになるのか、是非本書で答えを見つけてください。

掲載:2024年7月25日

著者プロフィール

今道琢也

イマミチ・タクヤ

1975年大分県生まれ。1999年、京都大学文学部(国語学国文専修)を卒業しNHK入局。十五年間アナウンサーとして勤務し、2014年に独立。インターネット上の文章指導塾「ウェブ小論文塾」を創業する。十万部超のベストセラー『落とされない小論文』など著書多数。

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