韓国消滅
968円(税込)
発売日:2024/09/19
- 新書
- 電子書籍あり
「日本への提案はほぼ罠」の韓国。先進国最低の出生率、先進国最高の自殺率、民主主義の後退、外交的孤立で未来はあるか?
2023年の出生率0・72。韓国の出生率は、OECDに加盟する先進国の中で断トツに低い。生産年齢人口のピークも2019年に迎えており、働き手もこれからどんどん減っていく。経済規模縮小のリスクは日本の比ではないのだ。加えて自殺率は先進国で最高である。それはあたかも、韓国社会が「消滅」に向かって、全力で駆けだしたかのごとくである。朝鮮半島情勢「先読みのプロ」が指摘する冷徹な現実。
書誌情報
読み仮名 | カンコクショウメツ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 208ページ |
ISBN | 978-4-10-611057-3 |
C-CODE | 0230 |
整理番号 | 1057 |
ジャンル | ノンフィクション |
定価 | 968円 |
電子書籍 価格 | 968円 |
電子書籍 配信開始日 | 2024/09/19 |
蘊蓄倉庫
韓国の中国化
韓国の人口減少は社会にいろいろな影響を及ぼしていますが、その一つに「韓国の中国化」があります。
韓国在住外国人の5割は中国人です。韓国では永住権を取得後、3年間経てば外国籍のままで地方参政権を得られるので、「選挙を通じて中国に干渉される」と懸念する人たちは少なくありません。実際、2022年6月の地方選では外国人有権者が12万7000人いましたが、そのうち10万人は中国人でした。
今後、少子化の進展によって、韓国社会での中国人比率は上がっていくと考えられます。2023年の外国人人口は193万人で、これは前年比10・4%増。一方、韓国人は0・2%減の4983万人でした。
掲載:2024年9月25日
担当編集者のひとこと
先進国最低の出生率と先進国最高の自殺率
日本も韓国も毎年、出生率が過去最低を更新し続けているのは変わりませんが、韓国の少子化は「レベチ」です。2023年で見ると、日本の出生率1.20に対し、韓国はなんと0.72。先進国は総じて少子化に転じているとは言え、1を切っているのは韓国だけで、これは世界でも断トツの低さです。
加えて言えば、韓国はOECD加盟国の中で自殺率が最も高い国です。2つを考え合わせると、あたかも韓国人が無意識のうちに「この社会は生きるに値しない」との判断を下したようにすら見えてきます。
韓国は生産年齢人口(15~64歳)のピークも2019年に迎えており、働き手の数はこれから急速に減っていきます。1995年に生産年齢人口のピークを迎えた日本は、その後長いデフレに見舞われることになりましたが、同じようなプロセスの鳥羽口に立ったのが現在の韓国と言えます。
著者によると、韓国の問題は「肥大化した自己イメージに酔うばかりで、自分たちの本当の問題に直面する勇気を持たなかった」ことにあると言います。少子化の問題しかり、大統領が変わるたびに逮捕者や死者が出る民主主義の未成熟しかり、米中二股外交で「いいとこ取り」できると考えた外交姿勢しかり。いろんな意味で行き詰まりを迎え、これまで目を閉ざしてきた自分の真の姿と向き合わなければならない韓国は、これから混迷期に入っていくと著者は見ています。
朝鮮半島情勢「先読みのプロ」として知られる著者の冷徹な現状分析、ご一読頂ければ幸いです。
2024/09/25
著者プロフィール
鈴置高史
スズオキ・タカブミ
1954(昭和29)年愛知県生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員、香港特派員、経済解説部長などを歴任し2018年に退社。2002年、ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。著書に『米韓同盟消滅』など多数。