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『赤毛のアン』と『フランダースの犬』『クリスマス・キャロル』の共通点とは?



赤毛のアン』と『フランダースの犬』。

 前者はプリンス・エドワード島の自然の中で、アンが少女から乙女へと成長する姿が描かれ、後者はルーベンスに憧れるフランダースの貧しい少年ネロの生涯を描いた作品である。

 これに続いて、ディズニーの映画で知る人も多い、文豪ディケンズの名作『クリスマス・キャロル』は、ケチで冷酷で人間嫌いの老人スクルージがクリスマス・イヴに自分の将来の姿を見せられて改心する話です。

 この、まったく異なった三作が共通する点は、NHKで放送がスタートした連続テレビ小説「花子とアン」の主人公・村岡花子さんなのです。

「花子とアン」では、初邦訳を手掛けた『赤毛のアン』に焦点が当てられていますが、村岡花子さんは、『フランダースの犬』の他に『クリスマス・キャロル』や『ハックルベリイ・フィンの冒険』など、世代を超え多くの方たちに読まれ続けている名作を数多く翻訳しています。

 また、新潮文庫では、NHK連続テレビ小説「花子とアン」の原案になった『アンのゆりかご―村岡花子の生涯―』(村岡恵理・著)を刊行しており、村岡花子さんが翻訳を手がけたモンゴメリ作品“赤毛のアン・シリーズ”と“エミリー・シリーズ”も全巻刊行しています。

 この機会に村岡花子さんが翻訳された本を読まれてはいかがでしょうか?



フランダースの犬
ウィーダ、村岡花子/訳

フランダースの貧しい少年ネロは、村人たちから迫害を受けながらもルーベンスの絵に憧れ、老犬パトラシエを友として一心に絵を描きつづける。しかし、クリスマスの朝アントワープの大伽藍に見いだされたものは、この不幸な天才少年と愛犬との相いだいた亡骸だった。虐げられた者への同情を率直素朴な表現でつづった少年文学の傑作。他に「ニュールンベルクのストーブ」を併録。

ISBN:978-4-10-205401-7 発売日:1954/04/19


440円(定価) 購入

クリスマス・キャロル
チャールズ・ディケンズ、村岡花子/訳

ケチで冷酷で人間嫌いのがりがり亡者スクルージ老人は、クリスマス・イブの夜、相棒だった老マーレイの亡霊と対面し、翌日からは彼の予言どおりに第一、第二、第三の幽霊に伴われて知人の家を訪問する。炉辺でクリスマスを祝う、貧しいけれど心暖かい人々や、自分の将来の姿を見せられて、さすがのスクルージも心を入れかえた……。文豪が贈る愛と感動のクリスマス・プレゼント。

ISBN:978-4-10-203009-7 発売日:2011/12/02

映画化 舞台化

473円(定価) 購入

ハックルベリイ・フィンの冒険
マーク・トウェイン、村岡花子/訳

トムとの冒険で大金持になった浮浪児ハックは、未亡人の家に引きとられて教育を受けることになった。固苦しい束縛の毎日――飲んだくれの父親が金をせびりに現われるに及んで、逃亡奴隷の黒人ジムとハックの脱出行が始まった。筏でミシシッピー川を下る二人を待ち受けるのは、大暴風雨、死体を載せた難破船、詐欺師たち……。現代アメリカ文学の源泉とまで言われる作品。

ISBN:978-4-10-210602-0 発売日:1959/03/12


825円(定価) 購入

連続テレビ小説『花子とアン』原案

アンのゆりかご―村岡花子の生涯―
村岡恵理

カナダ人宣教師から友情の証として贈られた一冊の本。それが『赤毛のアン』と村岡花子の運命の出会いだった。多くの人に明日への希望がわく物語を届けたい──。その想いを胸に、空襲のときは風呂敷に原書と原稿を包んで逃げた。情熱に満ちた生涯を孫娘が描く、心温まる評伝。

ISBN:978-4-10-135721-8 発売日:2011/08/30

テレビ化

825円(定価) 購入

赤毛のアン・シリーズ












エミリー・シリーズ