キッチン、最初は妹に借りたのが出会いでした。その後、自分でも文庫を買い、ぼろぼろになるまで何回も読み直し、今も大事に本棚にあります。
ばななさんの作品に、人生のその時その時寄り添ってもらいました。キッチンは、軽やかで愛があふれてて、さらっと読めちゃうんだけど、あとに残る感覚がとても優しいんです。じんわり心に来るのです。素敵な作品をありがとうございます。

かな

「何がいい？」活字愛好家のおばが私に言ってくれたこの一言。。。中学の感度の高い時期、この一言があって私の本人生が始まりました！キッチンは、私のもとへ。信号が１つしかなかった私の町に本屋なんてあるはずもなく、、この出会いがすべて開いてくれました。万歳キッチン！！

アースキッチン

自分では言葉にできないようなどうしようもない孤独とまだ蓋の開いていない奥にしまわれている温かな気持ちを繊細にとてもシンプルだけども好きな言葉たちで紡がれていたと初めて感じた小説でした。御守りみたいなもの。それが私とキッチンのひいては吉本ばななさんとの出会いです。30年おめでとうございます。小説を書いてくれてありがとうございます。

ミシェル

生まれて初めて何度も読み返した人生の書です。どなたかが「折れるほど読んだ」ともおっしゃっていた位私もぼろぼろになった初版本を今でも大切にして、手に取るといつでも優しく、そして切ない気持ちになります。ばななさん、「キッチン」を生んでくれてありがとうございました。

TERA

「あなたも好きな気がする」と高校の図書室で友達に手渡された『キッチン』が、大袈裟でなく私の人生を変えました。
沁み渡るように物語が入ってきていっぺんに好きになり、他の吉本ばななさんの作品もむさぼるように読み、ハマりました。
それがきっかけで現代文学を研究できる大学に進み、恐れ多くも吉本ばななさんの作品論で卒業論文も書きました。
研究にも使い、黄ばんでぼろぼろにらなった単行本と文庫本は、23年経った今でも私の宝物です。
何があるたびに読み返すので、本棚のいちばん手に取る場所に鎮座しております。
私が死んだら棺桶に入れてね！と家族にはお願いしています(笑)

おがちゃん

「キッチン」という小説は、キラリとしたかけらのようなものが、今の私の一部分として確実に入っているかな？と思ってます。
読んだ当時、私の知ってる世の中は決まり事だらけだと思っていて。でも。いろんなひとたちかいて、お互いを想いあって、尊重して、すきだったら一緒にいていいんだな。そして今は今しかないんだな。
そんなことがわかって、窮屈だった私はのこころはずいぶん息がしやすくなった気がします。
ときどき手に取るこの小説は、中の人びとに会いに行って、そしてなにか守まれているようなあたたかなきもちになります。

まと子

当時の私はNYの地下鉄に揺られ、貪るようにキッチンを読みました。Dラインの特急で34丁目からハーレムのお家へ帰ります。留学期間中の日本語の小説は禁断の甘い果実でした。それはもう美味しかった。細部まで行き届いた水々しい情景描写にインスピレーションを受けて、たまらず私もアメリカでの暮らしをこんな風に書き連ねたいと同時進行で自分の物語を頭の中に描いていました。考え始めるとページをめくる手が止まってしまうものの、そんな時間もなぜか楽しくてこの本を鞄に忍ばせている間、私の思考は吉本ばなな風になるわ、なんて思っていました。留学期間は修行の身。英語脳で暮らそう、と思ってた自分の中でキッチンを読んでいる時間は夜中のカップラーメンみたいに背徳的な味で私を満たしてくれました。漠然とした空間と感情の中からどの描写を切り取って言葉にのせてゆくのか。今見ている街と自分自身のトリミング方法を考えていました。

よしまり

高校の時に知り合った友人が読んでいました。彼女はいつも私の先を行っていてとても眩しく、そんな彼女に少しでも近づきたくて、彼女の愛読していた「キッチン」を手にしたのがばななさんとの出会いです。
あれから20年以上も経つのにページをめくるとあの頃が蘇ってきます。

shimapero

I randomly picked Kitchen at a bookstore in Paris about 10 years ago. It seemed like a nice little book. I started reading it one night at the university dorm but could not stop until the end, late in the night. My friend, and japanese teacher had passed away some time earlier. I was grieving and I was profundly affected by Kitchen. It was a step towards peace. It was okay to need the time, to wander and wonder, it would get better but it didnot have to be now. I am extremely grateful for Kitchen <3

Julien Lalleve

わたしが小学生高学年のころ
はじめて読んだ小説がこのキッチン。
フィクションということさえも
あまり理解しておらず
もくもくとこの物語の世界に入り込んだ。
大人の甘くて切なくて温かい未知の世界を覗き見したような気持ちになった。
えりこさんの温かさに憧れ、死に心の底から泣いた。人の死はとても悲しい。辛い。けど残された人たちのその先になぜ光があって温かさが産まれるんだろう？
いつもその答えを教えてくれる原点が
キッチンにはあると思います。
ばななさんの作品に魅了されて20年以上経ちます。
ほんとうに大好きです。
本を好きになるきっかけをくれたキッチン。
何度も読み返したキッチンは
もうボロボロですが私のお守りで宝物です。これからもばななさんの温かい文章、物語を楽しみにしています。
この作品がこれからもいろんな人へ
繋がりますように。

sae.