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いま注目の1冊!
武州血洗島のいち農夫に生まれた男が「日本の資本主義の父」になる――。現在放送中の大河ドラマ「青天を衝け」は、近代日本最大の経済人である渋沢栄一の生涯を追います。
いま大注目の偉人の半生を描き切ったのが経済小説の泰斗、城山三郎さんです。『雄気堂々(上・下)』は尊皇攘夷運動に身を投じる若き日から、最愛の妻を亡くすまでの波瀾万丈の半生を鮮やかに描き、累計一二〇万部を超すベストセラーとなっています。
渋沢翁のみならず、城山さんは多くの偉人を題材にしました。『男子の本懐』では近代日本の歴史において最も鮮明な経済政策と言われる〈金解禁〉を遂行した浜口雄幸と井上準之助を。『落日燃ゆ』では東京裁判で絞首刑を宣告されたA級戦犯のうち、唯一の文官であった広田弘毅を。いずれも人間とは一体何であるかを静かに問いかけて心を打ちます。
城山さんの講演を元にした『少しだけ、無理をして生きる』では、彼らの魅力をぎゅっと凝縮してご紹介しています。是非ご一読を。
著者紹介
城山三郎シロヤマ・サブロウ
(1927-2007)名古屋生れ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。一橋大学を卒業後、愛知学芸大に奉職し、景気論等を担当。1957(昭和32)年、『輸出』で文学界新人賞を、翌年『総会屋錦城』で直木賞を受賞し、経済小説の開拓者となる。吉川英治文学賞、毎日出版文化賞を受賞した『落日燃ゆ』の他、『男子の本懐』『官僚たちの夏』『秀吉と武吉』『もう、きみには頼まない』『指揮官たちの特攻』等、多彩な作品群は幅広い読者を持つ。2002(平成14)年、経済小説の分野を確立した業績で朝日賞を受賞。