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いま注目の1冊! 吉田修一/著『湖の女たち』

言葉を喪う読後感! 悪と欲望のすべてを描き尽くしたメガノベル

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 5月17日に吉田修一さんの新たな代表作となった『湖の女たち』が映画公開されました。主演は福士蒼汰と松本まりかという旬の二人。脇を固める浅野忠信の怪演も話題になっています。
 湖畔の介護施設での老人の不審死から幕を開ける本作ですが、ミステリー的な謎解きでは終わらず、旧軍による人体実験やその残党が引き起こした薬害事件、そして警察の闇にまで広がっていくスケールの大きな作品。さらには捜査で出会った男女がインモラルな関係に溺れていくという重奏的なこの物語を、モスクワ国際映画祭で審査員特別賞を受けた「さよなら渓谷」以来のタッグとなった大森立嗣監督がどう料理したのか――。その手腕にもご注目下さい。
 ところで、湖と男女の危険な関係という取り合わせといえば川端康成の名中篇『みずうみ』。吉田修一さんも敬愛する川端らしい妖しい美が横溢する作品ですが、角田光代さんの解説を新たに加えた新版が発売中です。読み比べると味わい深い読書体験になりそう。

波 2024年6月号「いま話題の本」より

著者紹介

吉田修一ヨシダ・シュウイチ

長崎県生れ。法政大学卒業。1997(平成9)年「最後の息子」で文學界新人賞。2002年『パレード』で山本周五郎賞、同年発表の「パーク・ライフ」で芥川賞、2007年『悪人』で大佛次郎賞、毎日出版文化賞を、2010年『横道世之介』で柴田錬三郎賞、2019年『国宝』で芸術選奨文部科学大臣賞、中央公論文芸賞を受賞。ほかに『長崎乱楽坂』『橋を渡る』『犯罪小説集』『逃亡小説集』など著書多数。2016年より芥川賞選考委員を務める。映像化された作品も多く、『東京湾景』『女たちは二度遊ぶ』『7月24日通り』『悪人』『横道世之介』『さよなら渓谷』『怒り』『楽園』『路』『太陽は動かない』に続いて『湖の女たち』が映画化される。

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