文学賞
稀代の演出家に迫る傑作評伝がダブル受賞! 『つかこうへい正伝 1968-1982』長谷川康夫
演出家・劇作家つかこうへいを描いた『つかこうへい正伝 1968-1982』(長谷川康夫著)が、第35回新田次郎文学賞、第21回AICT演劇評論賞を受賞しました。
「みごとな構成と圧倒的な臨場感で、一気に最後まで読みきった」「つかの芝居が持つ、何が飛び出すかわからない危うさやダイナミズムが、この本の紙面からはじき出ている」、「つかの育てた平田満ら、現在も活躍中の俳優の育て方、有名なつかの口立てという演出方法の詳細など、つかの身近にいた人間でしか書けない事柄が満載」、単なる評伝に留まらない「著者自身の青春の書」であり、「信頼に足る第一級資料」など、選考委員からも絶賛を受けました。
本書は、「つかブーム」を巻き起こしたつかの黄金期に光を当て、『熱海殺人事件』『蒲田行進曲』に代表されるつか芝居の神髄、彼の強烈な人間的魅力に迫った評伝です。当時つかのもとで俳優・原稿アシスタントとして活動していた著者が、膨大な資料と、風間杜夫ら関係者への徹底した取材を基に完成させました。
「演劇は一回性」というつかの信念から、当時の芝居の映像等はほぼ残されていませんが、本書を開けば、あの熱狂の舞台が再び、幕を開けます。