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日々不穏
「新潮」8月号
定価900円
7月7日発売


 毎号、長編の一挙掲載を軸に誌面を構成している小誌ですが、今号は趣向を変えてヴァラエティに富む中短篇を集めました。
 保坂和志氏「カンバセイション・ピース」。老朽化した木造家屋で暮らす猫と奇妙な一族の、哲学的(?)な日々。短期集中連載の第一回。
 原田宗典氏「劇場の神様」。往年のスターが演じる「丹下左膳」の舞台は、その日に限って最高の出来だったが、楽屋では……。
 青山光二氏「吾妹子哀し」。89歳の作家が痴呆症の妻を介護する日々に、青春の日の愛と孤独が蘇り……。
 短篇は川上弘美、小川国夫、津村節子氏。
 上原和氏「ミャンマーへの旅」は竹山道雄「ビルマの竪琴」を携えての紀行。浅田彰氏と島田雅彦氏の対談は「大航海時代から現在へ」。
 新連載は堀江敏幸氏「河岸忘日抄」。雨の日以外はほぼ毎日セーヌ河畔の古本屋を歩いているという氏から毎月リアルタイムで届くフレッシュな小説です。
(編集長・前田速夫)
■年間講読料一〇八〇〇円(12冊 税・発送費込)