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99年目の新年号
「新潮」1月号
定価950円
12月7日発売


 明治37年5月の創刊から99年目の新年号をお届けします。巻頭は島田雅彦氏の長篇一挙掲載「エトロフの恋」三二〇枚。不首尾に終わった禁断の恋が、見捨てられた北方領土を舞台に新たな変容を遂げます。短篇は豪華メンバーで、小島信夫、瀬戸内寂聴、吉村昭、高井有一、辻原登、川上弘美、青山真治の各氏。
 国交正常化30周年を記念して北京で開催されたシンポジウムから、辻井喬、黒井千次両氏の講演と秋山駿氏のエッセイを収録したのが、特集「日本文学の今 in China」。
 特別随想はドナルド・キーン氏、田辺聖子氏。他に城山三郎・澤地久枝氏の対談「語りのこすこと」や、好評の「クロスロード」執筆陣による集中討議「9・11から21世紀は始まった」。柴田元幸・沼野光義氏「2003年世界文学の旅」など。また辻章氏による特別寄稿「誕生から、誕生へ――柳美里「石に泳ぐ魚」の呼ぶもの」は、法曹界の人にもぜひ読んでもらいたい一文です。
(編集長・前田速夫)
■年間講読料一〇八〇〇円(12冊 税・発送費込)