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新発掘 三島由紀夫 師・清水文雄への手紙
「新潮」2月号
定価900円
1月7日発売


「花ざかりの森」の連載を推挽され、ペンネームをつけてもらい、日本浪曼派への眼を開かれた学習院中等科時代から、「『豊饒の海』の終りは世界の終りに他なりません」と告げた自決の一週間前まで、三島由紀夫の生涯に亘る師・清水文雄に宛てた書簡全60通を、両ご遺族のお許しを得て、初公開します。この師にしてこの弟子あり。稀有な師弟関係が育んだ昭和の奇蹟は、今もって高々と聳えています。
 四年がかりの大作「葬送」を上梓したばかりの平野啓一郎氏が、一転して現代を舞台に果敢な述作に挑みました。「氷塊」一五○枚、上段と下段の二篇が冒頭と結末を合せて十回交差する、新形式の作品です。小説はほかに、黒井千次、宗左近、佐江衆一、平出隆氏。
 新春随想は杉本秀太郎、桶谷秀昭、石牟礼道子の三氏。特別掲載のスーザン・ソンタグ「美についての議論」や唐十郎氏の「文芸時評」も、刺激的です。
(編集長・前田速夫)
■年間講読料一〇八〇〇円(12冊 税・発送費込)