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美しい魂たちの饗宴
「新潮」8月号
特別定価1000円
7月7日発売


 デビュー二十周年を迎えた島田雅彦氏「美しい魂」(六三〇枚一挙掲載)は『彗星の住人』(二〇〇〇年刊)に続く大作〈無限カノン〉第二部です。一九世紀末、長崎芸者・蝶々夫人と米国軍人の悲恋から始まる血族四代の運命は米国、満州、焼け跡の日本へと流転し、本作で劇的なクライマックスを迎えます。時は現代、血族の恋と音楽の遺伝子を受け継ぐ主人公カヲルが命賭けで愛した“美しい魂”の名は不二子。しかし運命は彼女に、国の命運を左右する〈選択〉を強いる。カヲルと結ばれるのか、都心に広がる深い森の住人になるのか……。☆井上ひさし氏の最新戯曲「兄おとうと」は、大正デモクラシーの礎を築いた政治学者吉野作造とその弟信次の魂の触れ合いを描く評伝劇。☆世界が揺れた一九六八年に多感な十五歳を迎えた四方田犬彦氏の自伝青春記「ハイスクール1968」の短期集中連載が始まります。
(編集長・矢野優)
■年間講読料一〇八〇〇円(12冊 税・発送費込)