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超平坦な時代の戦場
「新潮」11月号
特別定価1000円
10月7日発売


 第二次大戦における沖縄戦を一一歳の少年の視線で追う「接近」(二七〇枚)の著者・古処誠二氏は一九七〇年生まれ。戦争を知らない世代の、さらに一世代下の書き手は、超平坦/superflatな時代に、かつて確かに実在した戦場をいかに幻視するだろうか。
 松浦寿輝氏「そこでゆっくりと死んでいきたい気持をそそる場所」の舞台はベーリング海に近い極北の島。暗く寒い冥土は異様なまでに濃厚な死と性の気配に充ちている。
 今号は短篇も充実。筒井康隆、川上弘美、吉田修一各氏の作品を掲載する。
 第三五回新潮新人賞を発表。受賞作(小説二作、評論一作)を全文掲載する。第一一回萩原朔太郎賞はミュンヘン在住の四元康祐氏『噤みの午後』(思潮社)に決定した。
 特別記事では、先ごろ完結した島田雅彦氏の無限カノン三部作を福田和也氏が論ずる。
(編集長・矢野優)
■年間講読料一〇八〇〇円(12冊 税・発送費込)