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1968と1972
「新潮」2月号
特別定価950円
1月7日発売


 「先進国」が政治と文化の大変動を一斉に体験した一九六八年に東京の高校生となった『ハイスクール1968』の著者四方田犬彦氏と、七二年に近代日本の昂揚期の終わりと高度情報化社会の始まりを見出すクロニクル『一九七二』の著者坪内祐三氏。三島自決の七〇年を分水嶺とする〈特別な年〉をそれぞれの主題に選択した両者が大型対談「1968と1972」で徹底的に語り合った。
 画家高島北海(嘉永三年~昭和六年)は、留学先のフランスでアール・ヌーヴォー運動にジャポニズムをもたらし、帰国後は日本画壇の指導者となる。四つの元号に及ぶ日本の近代を深く生きた傑物の軌跡を平成に生きる女性の視線で追う高樹のぶ子氏の連載小説「HOKKAI」が開始される。
 小川洋子氏と台湾の李昂氏が「海」を共通テーマに競作し対話した。真摯なコラボレーションの果てに、ここでも近代の問題と無縁ではない創造的な〈差異〉が浮上した。
(編集長・矢野優)
■年間講読料一〇八〇〇円(12冊 税・発送費込)