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破壊と創造
「新潮」10月号
定価900円
9月7日発売


◎石丸元章氏は『スピード』等のノンフィクション作品で、麻薬への自己破壊的な耽溺の末に拘置所に辿りついた壮絶な体験を独自のセンスで言語化した。矢作俊彦、高橋源一郎の両氏がこう語っている(「文學界」03年12月号)。「石丸元章が本格的に小説に取り組んだら、もうぼくは勝ち目がない」(矢作氏)。「彼は自分が持ってる富に気づいてないよね」(高橋氏)。そこで石丸氏に小説を書いていただいた。「xtasis エスタシス」(130枚)◎前年の新潮新人賞受賞作で保坂和志氏をして「ピンチョンが現れた!」と言わしめた青木淳悟氏の受賞第一作「クレーターのほとりで」、横田創氏「死後の夢」、森健氏「楽園の夜に」、石田千氏「クリ」。新しい波が次々に打ち寄せてくる◎筒井康隆(ジャズ)、町田康(パンク)、中原昌也(ノイズ)、音楽に縁深い三氏の特別鼎談が実現した。破壊と創造への衝動がせめぎあい、哄笑に充ちたセッション。
(編集長・矢野優)