[対談]小説と批評の自由をめぐって 保坂和志×福田和也
――小誌にて保坂さんが連載中の「小説をめぐって」が、単行本『小説の自由』(小社刊)として刊行されるにあたり、今日はお二人に忌憚無くお話頂きたいと思います。 福田 まず伺いたいのは、私を対談相手に指名したのは……。 保坂 僕。 福田 そこが気になってたんです。いや、何で僕なのかなと思って。 保坂 それは、やはり福田さんが評論家だからです。評論家の目から『小説の自由』はどう見えるのか、反発なり感想なり、何なりと存分に伺いたかった。評論家であんまり話できる人いないじゃない(笑)。 福田 それはコメント出来ない。小説家だって大していないじゃない。 保坂 石川忠司のように、僕と考えが合う評論家もいるわけですけど。福田さんの場合は、考えが合うという保証はないし、合ったからどうということはないんだけれども、対話になると思ったんです。たとえ二人が背を向けて別の方向を向いて立っていたとしても、同じ場所にいなくては対話というのは成り立たないでしょう。僕にとってそれが福田さんだったんですよね。 続きは本誌にてお楽しみ下さい。
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