お知らせ
太宰治の作品と人生に魅せられた人々を見つめる
異色ドキュメンタリーが日本公開!

「生きている事。ああ、それは、何というやりきれない息もたえだえの大事業であろうか。」(『斜陽』より)
三鷹で開催された没後70年の回顧展も盛況のうちに幕を閉じ、その衰えぬ人気を示した太宰治。そんな太宰の作品と人生に魅せられた7人の人々を見つめる、フランス人作家によるドキュメンタリー映画「太宰 La Vie Murmurée」 が、7月28日(土)から、吉祥寺ココマルシアター(www.cocomaru.net)にて、日本公開されます。
監督はフランス人ドキュメンタリー作家のジル・シオネと、マリー=フランシーヌ・ル・ジャリュ。2人が津軽や東京など、太宰ゆかりの地をめぐり完成させ、2009年の山形ドキュメンタリー映画祭で高い評価をうけた本作が、10年の歳月を経て、待望の日本公開となりました。
登場するのは、太宰の長女・津島園子氏や、太宰の評伝『ピカレスク 太宰治伝』の著者でもある猪瀬直樹氏をはじめ、ブロガーや漫画家など様々な立場、職業の人たち。「作家となる宿命をもって生まれ、文学と闘わなければならいない一生」(津島園子氏)を送った、太宰治という人間に深く影響をうけ、その後の人生を太宰とともに歩む人々の姿を追い、太宰そして日本人とは何かを考える一作です。『斜陽』などの誕生に立ち会った小社元取締役・故野平健一氏が太宰を語る貴重な映像も登場します。
会場では、『人間失格』Tシャツなどマニア心をくすぐる新潮社オリジナル太宰治グッズや、「文豪とアルケミスト」コラボカバーの『斜陽』文庫本も発売。太宰の世界により深く触れることのできるこの機会に、ぜひ足を運んでみてください。
著者紹介
太宰治ダザイ・オサム
(1909-1948)青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が、第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺。