文学賞
『ひみつの王国―評伝 石井桃子―』の尾崎真理子さん、日本記者クラブ賞受賞!

公益社団法人日本記者クラブ(伊藤芳明理事長)は4月27日、『ひみつの王国―評伝 石井桃子―』(2014年6月小社刊)の著者、尾崎真理子さんに2016年度の日本記者クラブ賞を贈ると発表しました。
尾崎さんは現在、読売新聞東京本社編集局文化部長。
『ひみつの王国―評伝 石井桃子―』は既に、芸術選奨文科大臣賞と、新田次郎文学賞も受賞しています。
日本記者クラブのリリースによると、贈賞の理由は以下の通りです。
「文芸記者として、多くの作家を取材し、作家本人も気づかないような証言を引き出してきた。特に、児童文学者石井桃子(1907~2008年)を息長く取材した『ひみつの王国―評伝 石井桃子―』(新潮社)は戦前、戦中、戦後を通して書くことにこだわった女性文学者を描ききり、女性記者による出色の評伝としてジャーナリズムにインパクトを与え、高く評価された。
晩年の石井桃子本人にインタビューを何日も続けただけでなく、知人を訪ね、石井の膨大な手紙を入手し、関連書を広く集め、証言と資料を積み重ねて実像に迫った。だれも知らなかった内面に光をあて、時代を切り取り、読者にわかりやすく提示した作品であり、ジャーナリズムの成熟に貢献した。
日本を代表する著名な作家を数多く取材し、優れた記事を書いている点も評価された。地方支局に配属されたり育児休業を取った女性記者の最初の世代の一人であり、その活躍は若い女性記者にとっても刺激となっている。」
贈賞式は5月25日、日本記者クラブで行われ、賞状と副賞が贈られます。
また受賞記念講演会が6月7日18:00から日本記者クラブで行われます。
お申し込みはコチラ。一般参加歓迎・無料です。
著者紹介
尾崎真理子オザキ・マリコ
1959(昭和34)年宮崎生れ。読売新聞編集委員などを経て文芸評論に専念。著書に『大江健三郎 作家自身を語る』(大江氏との共著)『ひみつの王国 評伝 石井桃子』(芸術選奨文部科学大臣賞、新田次郎文学賞)、『大江健三郎の「義」』(読売文学賞)など。2016年度日本記者クラブ賞受賞。