暗い淵のなかに身を沈めて仰ぎ見る、透き通った光。「生きているって、すごいことなんだねぇ」――歌う鳥たち。草木の香り、庭に降りそそぐ陽射し。虹のように現れる、ささやかな七色の喜び。ちっぽけな私にも、未来、はあるのだ。読み終えると、あたたかな空気が流れます。
暗い淵のなかに身を沈めて仰ぎ見る、透き通った光。「生きているって、すごいことなんだねぇ」――歌う鳥たち。草木の香り、庭に降りそそぐ陽射し。虹のように現れる、ささやかな七色の喜び。ちっぽけな私にも、未来、はあるのだ。読み終えると、あたたかな空気が流れます。
「いずみ」という詩を読む母の声 / 母が読み聞かせてくれた物語 / 忍冬(スイカズラ)の香り / 母が作る美味しいパンケーキ / 近所の家から聴こえてくるピアノの音 / 人生の証人――記念日の写真館 / 花束のような、人びとの存在 / すべてを知る友、すずらんのスズちゃん / 一歩前へ踏み出す仲間、犬のジョイ / 余りもののタオルで作る手製の雑巾 / ロバとおじいさんのおはなし / 自分へのぜいたくなおみやげ――プリンとシュークリーム / いつか乗りたい憧れのハーレーダビッドソン / リヒトくんとのひと夏の体験とお別れ――
小川糸 Ito Ogawa
1973年生まれ。2008年『食堂かたつむり』でデビュー。多くの作品が、英語、韓国語、中国語、フランス語、スペイン語、イタリア語などに翻訳され、様々な国で出版されている。『食堂かたつむり』は、2010年に映画化され、2011年にイタリアのバンカレッラ賞、2013年にフランスのウジェニー・ブラジエ賞を受賞。2012年には『つるかめ助産院』が、2017年には『ツバキ文具店』が、NHKでテレビドラマ化され、『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』『ライオンのおやつ』は、「本屋大賞」にノミネートされた。その他の著書に『喋々喃々』『ファミリーツリー』『リボン』『あつあつを召し上がれ』『サーカスの夜に』『ミ・ト・ン』など。
糸通信【小川糸】公式サイト