なんで『空2』かって。
「に」や「ニ」じゃダメなんだ。 「2」じゃないと。昔から言ってるけど、 写真というのは 現実や人生の模倣、現実の贋作であって、 創作じゃないんだよ。 だから2番目のコトなんだよね。 全部、0(霊)感でやってるんだけどさ。 空に何かを描いて「もうひとつの私の空」を 創るっていう気分もあった。 ……死のことを思うと生のことも思うようになるね。 どっちかが重くなると、もう片方も重くなる。 死の予感が来ると生の欲望が出てくるんだよ、 生欲が。 この本は俺の「遺作」だけど、 もしかしたら、ここで終わりじゃなくて、 ここから生が始まるのかもしれない。 □ 1000部限定 |
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荒木経惟……あらき・のぶよし 1940年東京都台東区三ノ輪に生まれる。1963年、千葉大学工学部写真印刷工学科卒業。同年、(株)電通に入社。1964年、「さっちん」で第1回太陽賞受賞。1971年、電通に勤めていた青木陽子と結婚、新婚旅行を撮影した『センチメンタルな旅』を限定1000部で自費出版。1972年よりフリーに。以来、妻・陽子との生活や東京の情景、過激なヌード作品などを次々に発表。写真界のみならず社会をも揺るがす「天才アラーキー」として広く認知されるようになった。欧米では「グラン・マエストロ」(大巨匠)と称され高い評価を受ける。2008年、オーストリア政府より科学・芸術勲章受章。また2002年より日本全国の人たちの肖像写真を撮影する「日本人ノ顔」プロジェクトを続けている。主な展覧会は「Tokyo Comedy」(セセッション、ウィーン/1997年)、「センチメンタルな写真、人生。」(東京都現代美術館/1999年)、「ARAKI:Self,Life,Death」(バービカン・アート・ギャラリー、ロンドン/2005年)、「東京人生 東京人生、写真人生、Aノ人生」(江戸東京博物館/2006年)ほか。主な著書に『さっちん』『センチメンタルな旅・冬の旅』『荒木経惟 トーキョー・アルキ』(すべて新潮社)、『愛しのチロ』(平凡社)、『空』『東京ゼンリツセンガン』(すべてワイズ出版)、『広島ノ顔』(荒木経惟「日本人ノ顔」プロジェクト)、“ARAKI”(Taschen)、“ARAKI:Self,Life,Death”(Phaidon)などがある。 公式ホームページ http://www.arakinobuyoshi.com/main.html 『遺作 空2』英語版ホームページ http://www.2thesky.jp/ |