話題の『渋滞学』が進化した! トヨタ生産方式の「カイゼン現場」訪問などをヒントに、まったく新しい学問が誕生。無駄とは何か? そのメカニズムとは? 実践篇では社会や企業、家庭にはびこる「無駄」を検証、省き方も伝授し、さらにポスト自由主義経済の新経済システムまで提言。ビジネスパーソンも家庭人も必読の書。

発行形態 : 書籍
シリーズ:新潮選書
判型:四六判変型
頁数 : 207ページ
ISBN : 978-4-10-603623-1
C-CODE : 0334
発売日 : 2008/11/25

1,320円(定価)

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西成活裕
ニシナリ・カツヒロ

1967年、東京都生まれ。東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻准教授。1990年、東京大学卒。修士と博士課程を航空宇宙工学で終える。専門は非線形動力学、渋滞学。ドイツのケルン大学理論物理学研究所客員教授などを経て現在に至る。2007年、『渋滞学』(新潮選書)で講談社科学出版賞、日経BP・BizTech図書賞をダブル受賞。





まえがき

第1章 無駄を科学する
渋滞学と無駄/理学と工学/直観の重要性/無駄学の誕生/山田日登志さんとの出会い/無駄は定義されていない/コツを会得する/「T」ジェネラリスト/システム思考/創発とは/失敗学と無駄

第2章 無駄とは何か
無駄の例/インプットとアウトプット/目的を決める/期間を決める/最適を見つける/投入効果図と三つの無駄/益が変化する要因/最適はどこだ?/プロセス図/しょう油のかけすぎ/寄付は無駄か/無駄の関連語/無駄をなくすには/自然型の無駄と宿命

第3章 無駄との真剣勝負
ムダとりの歴史/フォード方式を徹底研究/トヨタ生産方式とは/七つのムダ/自働化/ジャストインタイム/平準化/ムダとりの方法/見える化/限量経営/他分野への導入例

第4章 「ムダとり」最前線
大声を出す意味/無駄を憎んで人を憎まず/ムダとりアカデミー発足/いざ山形へ/線と点の改善/5の謎/中国のムダとり事情

第5章 社会は無駄だらけ
冷暖房の無駄/電気の無駄づかい/わが家の冷蔵庫、その後/支払いの無駄/コンピュータの無駄/時間の使い方/職場における無駄/過剰な包装と買い物袋/注意書きの無駄/過剰セキュリティ/過剰な薬と過保護/詰め過ぎ/スポーツの無駄とり/渋滞学と無駄

第6章 無駄と資本主義経済
3Rとその問題点/無駄に敏感になろう/争奪ゲーム/食料問題/精進料理の心/資本主義と利子/振動型の経済/「組み合わせ」と「すり合わせ」/財産を欲望で割る/道徳と無駄/利他行動/かわりばんこ社会の提案
あとがき
参考文献