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円城 塔「文字渦」(新連作)

新潮 2016年5月号

(毎月7日発売)

特別定価980円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2016/04/07

発売日 2016/04/07
JANコード 4910049010563
価格 特別定価980円(税込)

文字渦[新連作]/円城 塔
帝国・秦。陶工の俑は謎めく貴人に命じられて俑を作る。そして二千年後、俑の俑から三万の漢字が発掘された―― 未踏の「漢字」小説。

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キース・リチャーズはすごい/保坂和志
小説を書けないでいた。猫が死んで空虚さが残された。私を救った音楽と猫と言葉の物語。

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虹のかかる行町[一八〇枚]/日和聡子
平凡な生活も、目を凝らせばそこが異界への入口になる。街と人が主人公の鮮烈な奇譚集。

廃墟の旋律/金井美恵子
廃墟としての街・書物・愛。その圧倒的な魅惑。

堤の弟/門脇大祐
友が記憶を語るとき、死者は一瞬だけ蘇る。

■■ 連載小説 ■■

NPAO(三)/絲山秋子

黎明期の母(四)/島田雅彦

岩場の上から(六)/黒川 創

籠の鸚鵡(九)/辻原 登

光の犬(九)/松家仁之

荒れ野にて(十六)/重松 清

名誉と恍惚(二十一)/松浦寿輝

第49回《新潮新人賞》応募規定[募集開始]
【新選考委員】
大澤信亮 川上未映子 鴻巣友季子 田中慎弥 中村文則

【発見】
江藤淳への十九通の手紙/庄野潤三
解説・平山周吉
「成熟と喪失」を読み終つた時に感銘を覚えました――二十年にわたる書簡群から文学者二人の友愛と知られざる原点の共有が蘇る。

小説の運命/浜崎洋介
「近代文学の終り」(柄谷行人)は批評の終りを意味するのか? 小説の起源から現在を問う。

エーコのエコー――『薔薇の名前』を供えて/細川周平

デヴィッド・マドセンは黒く笑う/川本 直

批評の魂[第五回]/前田英樹

小林秀雄[第三十二回]/大澤信亮

島尾ミホ伝 『死の棘』の謎[第三十五回]/梯 久美子

地上に星座をつくる/石川直樹
 第四十回・アボリジニの地図

見えない音、聴こえない絵/大竹伸朗
 第一三九回・島の廃棄物神(ゴミガミ)

■新潮
・キーンさんとの時間――日本文学史、明治天皇、そして啄木/角地幸男
・朗読舞台/松村 武
・透明人間になる/松田行正

■本
・都築響一『圏外編集者』/絲山秋子
・金子 薫『鳥打ちも夜更けには』/大澤 聡
・畠山直哉・大竹昭子『出来事と写真』/太田靖久
・金原ひとみ『軽薄』/木村朗子
・村田喜代子『焼野まで』/倉本さおり
・四方田犬彦『母の母、その彼方に』/平松洋子

立ち読み

編集長から

文字と文学
円城塔「文字渦」

◎「嬴」という字を私は辞書なしでは書けないし、読み方も知らない。だが、この十六画の漢字自体がいわば「主人公」であるような物語を書きうる小説家は円城塔しかいないことは知っている◎円城塔の新連作小説「文字渦」第一回を読み、その想像力の特異さと自由さに驚嘆した。「嬴(えい)」は秦の始皇帝の姓。その巨大な陵墓に膨大な数の兵士の等身大の焼き物が埋葬されたことは知られていよう。円城塔の想像力はそこから一気に飛翔する。呪術性を帯びた古代文字からUnicodeで統括される現代の文字までを貫いて、円城塔はこの連作で「文字」から未知の文学を生み続けるだろう◎保坂和志の代表作『未明の闘争』では、「私は一週間前に死んだ篠島が歩いていた。」といった表現が読者を驚かせたが、最新小説「キース・リチャーズはすごい」では、この「保坂語」がさらに深まり、新しい領域に入った。小説家を救った音と言葉と猫をめぐる感動的な作品だ。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞