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古川日出男「ミライミライ」(第1回・150枚)
アレン・ギンズバーグ、五篇の詩 村上春樹・柴田元幸 訳

新潮 2016年6月号

(毎月7日発行)

特別定価1,049円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2016/05/07

発売日 2016/05/07
JANコード 4910049010662
定価 特別定価1,049円(税込)

◆ミライミライ[新連載・一五〇枚]/古川日出男
 むかしむかし、詩人は銃殺され、ソ連の保有する北海道は返還された。どこに? 日本とインド、「印日連邦」に。戦後を揺らす創世記
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◆鏡[一八〇枚]/内村薫風
 虎の脱走。自衛隊パイロットの緊急出動。ベラスケスの名画。反射しあう物語が白熱する!
⇒立ち読みはこちら

◆ゆらぐ玉の緒/古井由吉
 春先は病み上りに似る。老年に若い影が添う

◆切り取られた世界/津村節子
 予期せぬ入院に見舞われた作家の追憶の日々

◆新月とマリンバ/絲山秋子
 マリンバで会話する「断絶」後の子どもたち

◆ろんど/太田靖久
 ドローンは飛翔する。神と母が待つ場所へ

■■ 連載小説 ■■
■エリザベスの友達(二)/村田喜代子

■TIMELESS(三)/朝吹真理子

■黎明期の母(五)/島田雅彦

■岩場の上から(七)/黒川 創

■籠の鸚鵡(十)/辻原 登

■光の犬(十)/松家仁之

■土の記(十四)/高村 薫

■荒れ野にて(十七)/重松 清

【第42回〈第二期第十七回〉 川端康成文学賞発表】
◆生鮮てるてる坊主/山田詠美
【選評】角田光代/辻原 登/堀江敏幸/村田喜代子

◆第49回《新潮新人賞》応募規定
http://www.shinchosha.co.jp/prizes/shinjinsho/regulation.html

◆第29回《三島由紀夫賞》候補作品発表
http://www.shinchosha.co.jp/prizes/mishimasho/

◆アレン・ギンズバーグ、五篇の詩/村上春樹・柴田元幸 訳
ウィチタ渦巻きスートラ(抄)/賢者チョギャム・トゥルンパの火葬に臨んで/魔法の聖歌/「吠える」への脚注/ひまわりスートラ
 ビート・ジェネレーションの旗手にして、詩聖ホイットマンの最大の後継者。新たな翻訳を得て、その怒りと歓喜が鮮烈に蘇り、吠える!
柴田元幸 解説

◆アルゲリッチの《夜のガスパール》のために/平野啓一郎
アロイジウス・ベルトラン『夜のガスパール』より(平野啓一郎 訳)
〈I 水の精(オンディーヌ)  II 絞首台 III スカルボ〉

◆言葉と衣服――第一回・ファッションデザインとはなにか/蘆田裕史
 衣服をめぐる「概念」を新たに定義し、創造の未来を指し示すファッション批評の誕生。

◆食うことと書くこと/福田和也

◆映画『シマヴ(銀の水) シリア・セルフポートレート』をめぐる3つのテクスト――『ヒロシマ・モナムール』『肉体の記憶』『千夜一夜物語』/岡 真理

■批評の魂[第六回]/前田英樹

■小林秀雄[第三十三回]/大澤信亮

■島尾ミホ伝 『死の棘』の謎[最終回]/梯 久美子

■地上に星座をつくる/石川直樹
第四十一回・能登の風呂屋

■見えない音、聴こえない絵/大竹伸朗
第一四〇回・岬の藤棚

■新潮
・真に打ち棄てられた者の言葉/伊藤 聡
・秩父日記――武甲山からアートへ/笹久保 伸
・破滅型クライマーの独白/宮城公博

■本
・いとうせいこう『我々の恋愛』/上田岳弘
・木村友祐『イサの氾濫』/岡和田 晃
・藤沢 周『サラバンド・サラバンダ』/田中和生
・加藤幸子『十三匹の犬』/富岡幸一郎
・藤井貞和『日本文学源流史』/福嶋亮大
・古川日出男『あるいは修羅の十億年』/松浦寿輝

この号の誌面

立ち読み

編集長から

幻史を幻視する 古川日出男『ミライミライ』

◎驚くべき小説を発表する。古川日出男氏の新連載『ミライミライ』(第1回150枚)。氏がむかしむかしの物語『女たち三百人の裏切りの書』(読売文学賞受賞)で紫式部の怨霊に「本もの」の宇治十帖を語らせて、私達の度肝を抜いたのは、ほんのむかしのことではなかったか。そこで千年前の幻史を幻視してみせた著者は今、もっと/もっとも危険な幻史に挑む。それは〈戦後〉だ。第二大日本帝国陸軍、日本の連邦国家化、GHQ新・新憲法案、北海道返還、北海道発の世界音楽ニップノップ……。物語の開始点は、むかしむかしの一九七二年。札幌の河原で詩人たち三十二人が銃殺された瞬間、読者はstoryとhistoryの途方もない原野に放り出されるはずだ◎アレン・ギンズバーグの五篇の詩を村上春樹氏と柴田元幸氏が翻訳した。〈伝説のビート詩人〉という枠を超える、アメリカの詩聖ホイットマンの最大の後継者。その世界への怒りと生への歓喜に満ちた精神が鮮やかに吠える。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞