おはん
473円(税込)
発売日:1965/02/02
- 文庫
妻と愛人、二人の女にひかれる男の情痴のあさましさを、美しい上方言葉の告白体で描き、幽艶な幻想世界を築いて絶賛を集めた代表作。
「人にもの問われても、ろくに返答もでけんような穏当な女」である主人公“おはん”は、夫の心がほかの女、芸妓“おかよ”に移ったとき、子供を身ごもったまま自分から実家に退いた。おはんとおかよ、二人の女に魅(ひ)かれる優柔不断な浅ましくも哀しい男の懺悔――頽廃的な恋愛心理を柔軟な感覚と特異な語り口で描き尽し、昭和文学の古典的名作とうたわれた著者の代表作。
書誌情報
読み仮名 | オハン |
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シリーズ名 | 新潮文庫 |
発行形態 | 文庫 |
判型 | 新潮文庫 |
頁数 | 128ページ |
ISBN | 978-4-10-102702-9 |
C-CODE | 0193 |
整理番号 | う-1-2 |
ジャンル | 文芸作品 |
定価 | 473円 |
著者プロフィール
宇野千代
ウノ・チヨ
(1897-1996)1897(明治30)年、山口県岩国生れ。岩国高等女学校卒業。1921年処女作『脂粉の顔』が「時事新報」の懸賞小説で一等に当選。1922年上京、尾崎士郎や東郷青児との恋愛・同棲のあと1939年北原武夫と結婚、1964年離婚。1957年『おはん』で野間文芸賞、女流文学者賞を、1982年「透徹した文体で情念の世界を凝視しつづける強靱な作家精神」によって菊池寛賞を受賞。著書に『色ざんげ』『風の音』『雨の音』など多数。現役の最長老作家として1996年6月10日急性肺炎で死去。
判型違い
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