午後の曳航
649円(税込)
発売日:2020/10/28
- 文庫
僕たちが許しているのだ。父親、教師ら塵芥(ごみ)の存在を。
十三歳の登は自室の抽斗(ひきだし)奥に小さな穴を発見した。穴から覗く隣室の母の姿は艶めかしい。晩夏には、母が航海士の竜二とまぐわう姿を目撃する。竜二の、死すら厭わぬ船乗り精神と屈強な肉体に憧れる登にとって、彼が海を捨て母を選び、登の父となる生ぬるい未来は屈辱だった。彼を英雄に戻すため、登は仲間と悪魔的計画を立てる。大人社会の綻びを突く衝撃の長編。【新装版】
書誌情報
読み仮名 | ゴゴノエイコウ |
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シリーズ名 | 新潮文庫 |
装幀 | Matthew T.Carroll/カバー写真、Getty Images/カバー写真、新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 文庫 |
判型 | 新潮文庫 |
頁数 | 224ページ |
ISBN | 978-4-10-105046-1 |
C-CODE | 0193 |
整理番号 | み-3-15 |
ジャンル | 文芸作品 |
定価 | 649円 |
著者プロフィール
三島由紀夫
ミシマ・ユキオ
(1925-1970)東京生れ。本名、平岡公威(きみたけ)。1947(昭和22)年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。1949年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。主な著書に、1954年『潮騒』(新潮社文学賞)、1956年『金閣寺』(読売文学賞)、1965年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。1970年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される。
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