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吉里吉里人〔下〕

井上ひさし/著

990円(税込)

発売日:1985/09/27

  • 文庫
  • 電子書籍あり

東北の一寒村が突如日本から分離独立した。大国日本の問題を鋭く撃つおかしくも感動的な新国家を言葉の魅力を満載して描く大作。日本SF大賞、読売文学賞受賞作。

独立二日目、吉里吉里国の通貨イエンのレートは日本円に対して刻々上昇、世界中の大企業が進出した。だが国外から侵入した殺し屋や刑事らも徘徊、ついに初の犠牲者が出る。さらに日本国自衛隊も吉里吉里国最大の切り札四万トンの金の奪取に乗り出した。SF、パロディ、ブラックユーモア、コミック仕立て……小説のあらゆる面白さ、言葉の魅力を満載した記念碑的巨編。

  • 受賞
    第2回 日本SF大賞
  • 受賞
    第33回 読売文学賞 小説賞
  • 受賞
    第13回 星雲賞 日本長編部門
目次
第十八章 妾ァ誉れの吉里吉里綿吹き娘でごぜーます
第十九章 冷凍人間ば起したのは何処のお節介焼ぎだべな
第二十章 わし、冷凍睡眠中の世界医学哲学界の巨人なんだもんね
第二十一章 恋さ心ば乱す者よりも黄金さ心ば乱す者の方が多いんだっちゃ
第二十二章 貴方ァ第一回吉里吉里文学大賞の栄ある受賞者さ決まり申した。受げで貰えっぺがなス
第二十三章 ヘリコプターの大群と蝗の大群と、どっちが怖いべがなス?
第二十四章 独り立ちしたい者ァこの指さ止まれ
第二十五章 何人もその思考さ対すて刑罰ば受ぐるごどなし、でガス
第二十六章 タッチだ、タッチだ、誰が早ぐ俺の手さタッチして呉ろや
第二十七章 古橋先生てば、化粧の仕方ば教えであげっぺが
終章 古橋大統領様、其様な事ば喋っては駄目だ!

書誌情報

読み仮名 キリキリジン03
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫、電子書籍
判型 新潮文庫
頁数 624ページ
ISBN 978-4-10-116818-0
C-CODE 0193
整理番号 い-14-18
ジャンル 文学賞受賞作家
定価 990円
電子書籍 価格 869円
電子書籍 配信開始日 2013/12/06

作家自作を語る

【収録時期】1984(昭和59)年4月

著者プロフィール

井上ひさし

イノウエ・ヒサシ

(1934-2010)山形県生れ。上智大学文学部卒業。浅草フランス座で文芸部進行係を務めた後、「ひょっこりひょうたん島」の台本を共同執筆する。以後『道元の冒険』(岸田戯曲賞、芸術選奨新人賞)、『手鎖心中』(直木賞)、『吉里吉里人』(読売文学賞、日本SF大賞)、『腹鼓記』、『不忠臣蔵』(吉川英治文学賞)、『シャンハイムーン』(谷崎潤一郎賞)、『東京セブンローズ』(菊池寛賞)、『太鼓たたいて笛ふいて』(毎日芸術賞、鶴屋南北戯曲賞)など戯曲、小説、エッセイ等に幅広く活躍した。2004(平成16)年に文化功労者、2009年には日本藝術院賞恩賜賞を受賞した。1984(昭和59)年に劇団「こまつ座」を結成し、座付き作者として自作の上演活動を行った。

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