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謝るなら、いつでもおいで―佐世保小六女児同級生殺害事件―

川名壮志/著

737円(税込)

発売日:2018/05/29

  • 文庫

11歳の人殺し――。被害者、加害者双方の葛藤を見つめた、慟哭のノンフィクション。

「私がカッターで切りました」。幼さを残す少女は動揺する大人を前に淡々と告げた。2004年長崎県佐世保市。小六の女児が白昼の校舎内で同級生の御手洗怜美さんを刺殺した。11歳――少年法すら適用されず人殺しの罪に問うことはできない。だが愛する者を奪われた事実は消えない。苦悩する被害者家族、償いきれない業火を背負った加害者家族……それぞれの心のひだを見つめたノンフィクション。

目次
第一部
1本の電話/僕は新聞記者/昼日中の教室で/抱き上げてやれなかった/加害少女は/少年法すら適用されない/嵐の幕開け/殺意アリ/遺族とマスコミの狭間で/長い夜/Vサイン/中間の子ども/さっちゃん。ごめんな。/審判開始/元担任の涙/ブログごしの生声/退屈が蝕む心/カウントダウンを止めるには/実名報道/手探りの大人たち/12歳の遺骨/動機/誤訳/ちょっと、いい?/泣かない同級生/怜美を返して/記者にしがみつく/風化と波紋/うわ滑りの先に/偏り/更生と贖罪と/付添人の会見/寂しさのスクラム/ひと時の休息
第二部
【御手洗さん/被害者の父として】
遺族と呼ばれて/それから/記憶のスイッチ/親が背負う気持ち/子どもの心/あの子/償いとは。救いとは。/人前で「笑える」か
【加害者の父として】
開かずのカーテン/及び腰の面会/むなしい問答/細い糸/遺族と隣人/あの日、娘は
【被害者の兄として】
僕と妹/逆に泣けなかった/僕だけが知っていた/叫ぶ場所がなかった/ぶつけられない怒り/遅れてきた喪失感/普通に生きる
エピローグ
解説 伊賀大介

書誌情報

読み仮名 アヤマルナライツデモオイデサセボショウロクジョジドウキュウセイサツジンジケン
シリーズ名 新潮文庫
装幀 石居麻耶/カバー装画、新潮社装幀室/デザイン
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 368ページ
ISBN 978-4-10-121461-0
C-CODE 0195
整理番号 か-82-1
ジャンル ノンフィクション
定価 737円

著者プロフィール

川名壮志

カワナ・ソウジ

1975(昭和50)年、長野県生れ。2001(平成13)年、早稲田大学卒業後、毎日新聞社に入社。初任地の長崎県佐世保支局で小六女児同級生殺害事件に遭遇する。被害者の父親は直属の上司である同支局長だった。後年事件の取材を重ね『謝るなら、いつでもおいで』『僕とぼく』などを記す。他の著書に『密着 最高裁のしごと』がある。

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