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僕とぼく―佐世保事件で妹を奪われた兄と弟―

川名壮志/著

649円(税込)

発売日:2021/05/01

書誌情報

読み仮名 ボクトボクサセボジケンデイモウトヲウバワレタアニトオトウト
装幀 石居麻耶/カバー装画、新潮社装幀室/デザイン
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
ISBN 978-4-10-121462-7
C-CODE 0195
整理番号 か-82-2
ジャンル ノンフィクション
定価 649円

20歳未満の子供は人を殺しても名前が出ないなんて法律の仕組み、僕らは知らなかった。

新聞記者の長男、次男として生まれた「僕」と「ぼく」。妹の怜美(さとみ)も加わり家族は幸せに包まれていた。母が病に倒れ、妹が殺されるまでは――。2004年6月に佐世保で発生した小六女児同級生殺害事件。加害者は11歳。少年法すら適用されず罪は問えない。やり場のない怒りを抱え葛藤する家族。だが時と共に少しずつ、ゆっくりと、普通に生きようと歩み出す。犯罪被害者の再生を綴った感動の記録。

目次
プロローグ
アイドル誕生 さっちゃんが家にやってきた
彦星になりそこねたぼく
ふたりのデートは真夜中のドクターマリオ
事件発生! オッパイが行方不明
大丈夫さ いつだってなるようになっていくんだ
センチメンタルな旅 東京ディズニーランド
暗い家。オトナは誰もわかってくれない
泣き虫は卒業。待合室の少年ジャンプ
逃げろ、全速力で。新しい人生を始めるんだ
友だち兄妹きょうだい 怜美とぼく
キャンパスライフに咲いた花 それはアンジェリーナ
さっちゃん。ごめんな。御手洗恭二(父)
6月1日
あの日
加害少女って呼ばれた「あの子」
暴走するメディア 暴走する僕
ふたりの秘密。白いiPodで耳をふさいだ
新潟の彼女 卒業後に鳴ったケータイ
さよなら佐世保 おやさんとぼく
3ガロン600円 フロイトなんてクソくらえ
ひっくり返ったバケツ たまった水におぼれたぼく
希少金属レアメタルと独立 インチキおじさん登場
文化祭前夜 ぼくを泣かせた女の子
お袋たのむ ワンモアチャンス
止まった時計と動き始めた時間
エビマヨのことが 好きな君のことが
東京ディズニーランド ふたたび
ヒガイシャ失格。少女Aなんて知らんわ
忘却のおんちょうのなかで
幸せ はじまる僕の物語

担当編集者のひとこと

 2004年、長崎県佐世保市立大久保小学校で、小学校6年生の御手洗怜美ちゃんが、同じクラスの女の子に殺されました。怜美ちゃんのお父さんは毎日新聞佐世保支局長の御手洗恭二さん。御手洗さんは奥様を癌で早くに亡くされ、怜美ちゃん、その上にいるお兄さん2人を一人で育てていました。
 佐世保支局はビルの2階が支局で、3階が御手洗さんのご自宅。他の支局員は仕事の合間に3階で一家と食事を取るなど、まさに家族同然で暮らしていました。著者もその一人。入社後佐世保支局に赴任し当時は4年目。家族同然の子が殺されても、自分には「新聞記者」の職務があることに葛藤を抱えます。御手洗恭二さんも被害者の親でありながら、新聞記者でもあります。「記者ならば要求する」と御手洗さんはすぐさま会見を開き、折々に文書を発表します。
 本書には〈さっちゃん。ごめんな。〉という手記が載せられています。〈なぜ「いない」のか。それが「分からない」。新聞やテレビのニュースに父さんや、さっちゃんの名前が出ている。それが、なぜ出ているのか、飲み込めない。〉
 怜美ちゃんのお兄さん達も衝撃を受け止められませんでした。家族はバラバラになりそうでした。しかし抱え込んだ感情を家族同然に過ごした著者にだけは明かすことができました。今夏、待望の文庫化なった家族の再生の物語をぜひご一読ください。(文庫編集部・Y)

2021/09/28

著者プロフィール

川名壮志

カワナ・ソウジ

1975(昭和50)年、長野県生れ。2001(平成13)年、早稲田大学卒業後、毎日新聞社に入社。初任地の長崎県佐世保支局で小六女児同級生殺害事件に遭遇する。被害者の父親は直属の上司である同支局長だった。後年事件の取材を重ね『謝るなら、いつでもおいで』『僕とぼく』などを記す。他の著書に『密着 最高裁のしごと』がある。

判型違い(単行本)

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