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日本人はどう住まうべきか?

養老孟司/著 、隈研吾/著

572円(税込)

発売日:2015/12/24

  • 文庫

震災、高齢化、地域格差……21世紀の日本人が幸せになれる住まいを考える、贅沢対談集。

日本人は元来「だましだまし」生きてきたのに、津波被害を完璧に予測して対策するなど不可能。原発問題も土建問題もつまるところ戦争のツケ。マイホーム所有が人生の目標だった時代は終わり、どこにどう住まうかが自己表現になる。震災と津波、高齢化、地域格差……さまざまな社会問題をふまえ、現代人の幸福を実現する住まいのあり方について、解剖学者と建築家が論じた贅沢対談集。

目次
まえがき 養老孟司
第1章 「だましだまし」の知恵
津波はノーマークだった建築業界
死語になった「国家百年の計」
ルーズだからこそ安全基準は高くなる
買い手に土地を検討されたら困る
原発問題も土建問題も戦争のツケ
第2章 原理主義に行かない勇気
コンクリートは「詐欺」に似ている
コンビニ型建築をひねり出したコルビュジエ
ファッションで買われていく高層マンション
簡単には解けない「システム問題」
アジアの都市は自然発生的
アメリカの真っ白な郊外と真っ黒な石油
「見えない建築」は偽善的
第3章 「ともだおれ」の思想
ベネチアの運河に手すりを付ける?
マンションに見るサラリーマン化の極北
「ともだおれ」を覚悟できるか
骨ぐらいは折ってみた方がよろしい
都市復興の具体は女性に委ねるべし
人間はどこにだって住める
第4章 適応力と笑いのワザ
家の「私有」から病いが始まる
販売者はマンションに住みたがらない
人間が家に適応すればいい
「リスクなんて読めないです」が本音
「最貧国」が世界の最先端になる
アメリカの奴隷でない都市づくり
第5章 経済観念という合理性
バーチャルな都市の異常な増殖
ボスが引いたつまらない線の重み
上手に負けるといいものができる
人間の頭がコンピューターを真似してしまう
モデルルームのCGはインチキ
デザインセンスとは経済観念のことだ
第6章 参勤交代のス丶メ
地上ではなく地下を見よう
「強度」と「絶対」が道を誤らせる
限界集落的な生き方も認めよう
スラムの方が断然面白い
災害復興にユートピア幻想は効かない
教育とは向かない人にあきらめてもらうこと
参勤交代のス丶メ
日本人はどう住まうべきか
あとがき 隈研吾
住まいを考えるということ 山極寿一

書誌情報

読み仮名 ニホンジンハドウスマウベキカ
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-130841-8
C-CODE 0195
整理番号 よ-24-11
ジャンル 社会学
定価 572円

著者プロフィール

養老孟司

ヨウロウ・タケシ

1937(昭和12)年、鎌倉生れ。解剖学者。東京大学医学部卒。東京大学名誉教授。1989(平成元)年『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。著書に『唯脳論』『バカの壁』『手入れという思想』『遺言。』『ヒトの壁』など多数。池田清彦との共著に『ほんとうの環境問題』『正義で地球は救えない』など。

隈研吾

クマ・ケンゴ

1954(昭和29)年、横浜生れ。建築家。1979年東京大学大学院建築学科修了。コロンビア大学客員研究員、慶應義塾大学教授を経て、2009(平成21)年より東京大学教授。主な作品は「森舞台/登米町伝統芸能伝承館」「サントリー美術館」「根津美術館」「la kagu」など国内外に多数。『10宅論』『負ける建築』『ひとの住処 1964-2020』など著書多数。

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