
廃疾かかえて
473円(税込)
発売日:2011/04/26
- 文庫
DV欲に憑かれ、恋人をいたぶり続ける男の止みがたい宿痾。話題の新芥川賞作家の代表的シリーズ「秋恵」ものの白眉!
怪し気な女ともだちに多額の金を貸していた同棲相手の秋恵。その人の好さに暴力的な衝動をつのらせていく、身勝手な男・北町貫多を描く表題作。大正期の無頼派作家・藤澤清造の歿後弟子を任ずる金欠の貫多が稀覯雑誌を求め、同行を渋る女と地方へ買い出しに行く「瘡瘢旅行」他、敗残意識と狂的な自己愛に翻弄される男の歪んだ殉情を描く、全く新しい私小説。『瘡瘢旅行』改題。
目次
廃疾かかえて
瘡瘢旅行
膿汁の流れ
瘡瘢旅行
膿汁の流れ
解説 酒井順子
書誌情報
読み仮名 | ハイシツカカエテ |
---|---|
シリーズ名 | 新潮文庫 |
発行形態 | 文庫 |
判型 | 新潮文庫 |
頁数 | 192ページ |
ISBN | 978-4-10-131282-8 |
C-CODE | 0193 |
整理番号 | に-23-2 |
ジャンル | 文芸作品、文学賞受賞作家 |
定価 | 473円 |
著者プロフィール
西村賢太
ニシムラ・ケンタ
(1967-2022)東京都生れ。中卒。2007(平成19)年『暗渠の宿』で野間文芸新人賞、2011年「苦役列車」で芥川賞を受賞。刊行準備中の『藤澤清造全集』(全五巻別巻二)を個人編輯。文庫版『根津権現裏』『藤澤清造短篇集』を監修。著書に『どうで死ぬ身の一踊り』『二度はゆけぬ町の地図』『小銭をかぞえる』『廃疾かかえて』『随筆集 一私小説書きの弁』『人もいない春』『西村賢太対話集』『随筆集 一日』『一私小説書きの日乗』『棺に跨がる』『形影相弔・歪んだ忌日』『けがれなき酒のへど 西村賢太自選短篇集』『やまいだれの歌』『痴者の食卓』ほか。
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