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継体天皇―分断された王朝―

関裕二/著

605円(税込)

発売日:2022/11/28

  • 文庫
  • 電子書籍あり

謎の大王・継体天皇の正体。古代史最大のミステリーを大胆な考証で解き明かす刺激的論考。

謎に包まれた大王・継体天皇。応神天皇の五世の孫(五世代目の孫)とした日本書紀は真実を語っているのか。ヤマトから遠く離れた越(福井県)から継体が連れて来られたのは何故なのか。二十年間、ヤマトに入らずに淀川周辺を彷徨っていた理由は。そして、本当に王朝交替はあったのか? 大胆な考証で古代史最大の謎・継体天皇の正体を明らかにし、ヤマト朝廷成立の謎に迫る刺激的書下ろし論考。

目次
はじめに
第一章 継体天皇という座標軸
なぜ応神から継体につながる系譜が途切れるのか/王朝交替を暗示する武烈紀の記事/継体天皇即位のいきさつ/継体天皇はなぜ関東からやってきたのか/継体天皇の謎は「座標軸」をいくつも持っていること/越や東海とつながっていた阿倍氏/継体天皇と蘇我氏は越でつながる/はじめ継体は越の女性を召し入れていた?/三尾君の若比売が最初の妻?/東の重要性をみなおす必要がある/生まれ故郷の近江とも継体はつながっていた/継体天皇の出現は王朝交替なのか/応神天皇は仲哀天皇の子ではない?/継体天皇は息長氏だった?/息長氏ばかり注目すべきではない?/継体薨年にまつわる『日本書紀』のふたつの説/二朝併立論争勃発/『日本書紀』の不可解な態度/ヤマト建国の歴史に継体天皇の正体は隠されている
第二章 応神天皇
応神天皇そのものが怪しい/『日本書紀』がなぜ応神の正体を隠したのか/応神天皇や神武天皇とつながる住吉大神/鹿島神宮と香取神宮の祭祀権を争った中臣氏/考古学の示すヤマト建国にぴったりと重なるのは神功皇后/文明を嫌った人びとがヤマトに集まった/ヤマト建国と日本語脳/考古学が明らかにしたヤマト建国の道筋/『日本書紀』はヤマト建国の詳細を知っていた?/新羅の思惑とタニハ/淡路島でみつかった弥生時代後期の鉄器工房/明石海峡争奪戦と『播磨国風土記』/吉備の深慮遠謀/ヤマト建国後、力を握ったのは瀬戸内海勢力/神功皇后説話とヤマト建国/神功皇后の戦略/奴国と伊都国と邪馬台国の葛藤/ヤマト建国後の主導権争い/後漢からもたらされた二つの至宝/トヨは伊都国と瀬戸内海勢力に急襲された?/天孫降臨を歴史に書き替えてみると
第三章 三つの王家の融合
歴史を抹殺する動機が八世紀の朝廷にはあった/山背(京都)に都がおけなかった理由/継体天皇が二十年間ヤマトに入らなかった理由/正妃・手白香皇女は物部系?/今城塚古墳の特徴/孤独な継体天皇?/継体天皇は北部九州とつながっていた?/奈良盆地東部と北部九州の接点/関門海峡封鎖がヤマト政権の命取りに/磐井の乱の経過/なぜ磐井は反旗を翻したのか/広い地域と手を組んだ筑後勢力/東西二つの鉄剣銘の意味/磐井は継体天皇の変節をなじったのか/父の命令を覆そうとした大兄皇子/尾張系王家の断絶と蘇我氏の活躍/ヤマトには三つの王家があった?/三つの王家の結び付き/物部氏は蘇我氏と手を組んでいた
第四章 継体天皇の正体
『上宮記』の謎/ホムツワケの母・狭穂姫と日本海/『上宮記』とは何か/『上宮記』の仮名遣は古い/なぜ『上宮記』の記事は八世紀の権力者の言うことと同じなのか/わざと古く見せかけている法隆寺/「天寿国曼荼羅繍帳銘」も擬古作/継体天皇の改革事業の完成は八世紀/律令整備に至る道のり/なぜ八世紀の朝廷は東を恐れたのか/「大々王」の子が「大王」というヒント/穴穂部間人皇女の兄弟が怪しい/「穴穂」は物部?/『元興寺伽藍縁起并流記資財帳』が明らかにした系譜/皇極の初婚の相手は蘇我系皇族だった/近江や越と縁の深かった皇極天皇/六世紀に三つの王家が再結集した?/抹殺したかったのは大海人皇子と蘇我氏のつながり?
おわりに
主要参考文献一覧

書誌情報

読み仮名 ケイタイテンノウブンダンサレタオウチョウ
シリーズ名 新潮文庫
装幀 (C)Cavan Images/カバー写真、amanaimages/カバー写真、新潮社装幀室/デザイン
発行形態 文庫、電子書籍
判型 新潮文庫
頁数 240ページ
ISBN 978-4-10-136484-1
C-CODE 0121
整理番号 せ-13-14
ジャンル 歴史読み物、歴史・地理・旅行記、世界史
定価 605円
電子書籍 価格 605円
電子書籍 配信開始日 2022/11/28

著者プロフィール

関裕二

セキ・ユウジ

1959(昭和34)年、千葉県柏市生まれ。歴史作家、武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。仏教美術に魅了されて奈良に通いつめ、独学で古代史を学ぶ。『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『神武天皇vs.卑弥呼』『古代史の正体』など著書多数。

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