
アメリカの鱒釣り
737円(税込)
発売日:2005/07/28
- 文庫
藤本和子訳『アメリカの鱒釣り』は、翻訳史上の革命的事件だった。──柴田元幸。世界で200万部のベストセラー。魔法のように美しいブローティガンの最高傑作ついに文庫化!
二つの墓地のあいだを墓場クリークが流れていた。いい鱒がたくさんいて、夏の日の葬送行列のようにゆるやかに流れていた。――涼やかで苦みのある笑いと、神話めいた深い静けさ。街に、自然に、そして歴史のただなかに、失われた〈アメリカの鱒釣り〉の姿を探す47の物語。大仰さを一切遠ざけた軽やかなことばで、まったく新しいアメリカ文学を打ちたてたブローティガンの最高傑作。
書誌情報
読み仮名 | アメリカノマスヅリ |
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シリーズ名 | 新潮文庫 |
発行形態 | 文庫 |
判型 | 新潮文庫 |
頁数 | 272ページ |
ISBN | 978-4-10-214702-3 |
C-CODE | 0197 |
整理番号 | フ-20-2 |
ジャンル | 文芸作品、評論・文学研究 |
定価 | 737円 |
著者プロフィール
リチャード・ブローティガン
Brautigan,Richard
(1935-1984)1935年ワシントン州タコマ生れ。1956年、ケルアック、ギンズバーグらビート・ジェネレーションの作家が集うサンフランシスコへ。だが彼らとは一線を画し、7年におよぶ長い詩作の時間をすごす。1960年代はじめ、初の小説『アメリカの鱒釣り』を執筆。1967年に刊行された同書は世界中で200万部のベストセラーに。ブローティガンは一躍カウンターカルチャーのイコン的存在となる。その後、『芝生の復讐』『西瓜糖の日々』『ビッグ・サーの南軍将軍』(いずれも藤本和子訳)など、イメージの万華鏡ともいわれる風変わりで愛すべき傑作を執筆。1984年、ピストル自殺。
藤本和子
フジモト・カズコ
1939年東京生まれ。翻訳家・作家。1975年、初めての訳書、ブローティガン『アメリカの鱒釣り』を刊行。作品の魅力をまっすぐに伝えるその斬新な訳文は、のちの翻訳にも大きな影響を与える。訳書に、ブローティガン『芝生の復讐』『西瓜糖の日々』『ビッグ・サーの南軍将軍』『ホークライン家の怪物』『東京モンタナ急行』ほか、トニ・モリスン『タール・ベイビー』、レイチェル・ナオミ・リーメン『失われた物語を求めて』など多数。著書に『リチャード・ブローティガン』『ブルースだってただの唄』『イリノイ遠景近景』ほか。編訳書に、シドニー・W・ミンツ『〔聞書〕アフリカン・アメリカン文化の誕生』がある。イリノイ州在住。