
素数の音楽
1,045円(税込)
発売日:2013/09/30
- 文庫
人間の知性の偉大さに、畏敬の念を抱かずにはいられない。――小川洋子さん、絶賛! 謎に満ちた素数の神秘――天才たちのドラマ!
2,3,5,7,11……素数は謎に満ちた存在であり続けている。19世紀半ば、「数学界のワグナー」リーマンは、雑音としか思えない素数に潜んでいる繊細なハーモニーを耳にした。数学界の「巨人」ヒルベルト、「審美家」ハーディーと「用心棒」リトルウッド、「革命家」コンヌ……。世紀を越えた難問「リーマン予想」に挑み、素数が奏でる音楽を聴こうとした天才たちの姿を描くノンフィクション。
文庫版訳者あとがき
素数の音楽に耳を澄ませる人々 小川洋子
書誌情報
読み仮名 | ソスウノオンガク |
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シリーズ名 | Science&History Collection |
発行形態 | 文庫 |
判型 | 新潮文庫 |
頁数 | 624ページ |
ISBN | 978-4-10-218421-9 |
C-CODE | 0198 |
整理番号 | シ-38-1 |
ジャンル | 音楽理論・音楽論、音楽 |
定価 | 1,045円 |
短評
- ▼Ogawa Yoko 小川洋子
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宇宙にちりばめられた宝石のように美しく、同時にまた、悪魔のように気まぐれな振る舞いをする素数。その素数の秘密に触れようと、数学者たちは苦闘し続ける。彼らの目的はただ一つ。素数が奏でる天空の音楽を聞き取ることだ。そこには決して人間には作り出せない、完璧な調和を持ったメロディーが隠されているという。叡知の限りを尽くし、世界の謎を解き明かすことは、究極の美を獲得することであると、この本は教えてくれる。
- ▼Oliver Sacks オリヴァー・サックス[『妻を帽子とまちがえた男』の著者]
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驚くべき本だ! じつに面白い。読み始めたら最後、途中でやめることができなくなった。デュ・ソートイは、読者を素数の世界へのすばらしい旅へと誘っている。しかもその旅を、数学史上もっとも偉大な数学者たちの人となりや生活や着想をいずれ劣らず生き生きと描き出すことによって、人間臭くて魅力的なものにしているのだ。
- ▼The Times[Martin Rees] ザ・タイムズ[マーティン・リース英国王立グリニッジ天文台長]
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数学アレルギーの人々も一連の登場人物を描写するデュ・ソートイの筆致を楽しむことができる。ちょうど、作曲家について生き生きと書かれた本が、音楽がわからず、音楽についての知識もない人の関心を引くように。
- ▼Financial Times ファイナンシャル・タイムズ
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感動的な本である……デュ・ソートイは、数学者やその世界の特徴を見事に描き出している。
著者プロフィール
マーカス・デュ・ソートイ
Du Sautoy,Marcus
1965年ロンドン生まれ。オクスフォード大学数学研究所教授、リチャード・ドーキンスの後任として「科学啓蒙のためのシモニー教授職」も務める。英ロイヤル・ソサエティ・フェロー。多数の専門書執筆のほか、新聞・雑誌に寄稿、BBCで数学番組を監修。2001年、ロンドン数学学会が40歳以下のもっともすぐれた数学研究者に授与するバーウィック賞を受賞。初の一般書である『素数の音楽』が世界的ベストセラーに。その他の著書に『知の果てへの旅』『レンブラントの身震い』など。2010年、科学への貢献に対し大英帝国勲章が授与される。
冨永星
トミナガ・ホシ
1955年京都生まれ。京都大学理学部数理科学系卒業。翻訳家。マーカス・デュ・ソートイ『素数の音楽』、キット・イェーツ『生と死を分ける数学』、ヘルマン・ワイル『シンメトリー』など訳書多数。